【蒐集家蒐集】二人の最果て、エデン、その手段2019.06.26 13:35「私達は、どこまで一緒に居れるのかしら」僕は今、とある蒐集家の家に来ている。その家はまるで病院の様に白く、余計の無い白熱灯が優しく壁を光らせていた。大きな窓は、点々と置かれた観葉植物の為だろうか。「いらっしゃい、こちらよ」そう言われ、奥の部屋へ進むと広い部屋があった。壁一面には額...
ショートショート 541~5502019.06.24 14:36541.「気持ち良さそうだね」『案外悪くないよ』寝そべる君が口も動かさずそう言ったので、僕も入って寝転がる事にした。流石に二人は窮屈だが成る程悪くない。やがて僕達を火が覆った。火の中は温かく、優しかった。ふと気付くと彼は居らず、ああ僕は置いてかれたのだと気が付いた。・・・542....
ショートショート 531~5402019.06.17 14:30531.夢を見た。宇宙の夢だった。私の眠っていたベッドが白く、夢現に輝く。ベッドの下は天の川だった。足を漬けると仄かに質感があり、じわりと暖かい。流れて行く星々の灯りに見覚えがあった。それは、今までに私が見届けた電灯の光だった。またいつか。長い列を続け、それは太陽へと帰っていった...
三分の砂時計2019.06.12 13:58入浴時にでタイマーアプリじゃなく3分の砂時計を使ってる。 一昨日もいつものように砂時計を使ってたけど、何気に砂時計を見ると残りの砂が半分ほどだった。 そんなに時間が経ってなかったか~と思いながら、そのまま砂時計を見てると奇妙なことに気づいた。 確かに砂は落ちてるんだけど、残りの砂...
ほーちゃん2019.06.11 13:42賃貸のアパートに家族3人で暮らしてたんだが、3,4歳の一人娘が言うには、部屋には「ほーちゃん」なる者がいる。一人遊びしてるはずなのに、会話したり、バイバイしたりしてる。イマジナリーフレンドかと思ってたようなんだが、ある日のこと。またしても、娘がほーちゃんと遊んでいるようだったので...
オレンジ色の夜2019.06.11 04:52私が小学4年生の夏休み、某田舎の祖父母が暮らす家に家族で泊まりに行きました。時期的にお盆ということもあり、親戚も集まりみんなでその日夕食を食べていました。ご飯を食べ終わり、私と妹、従姉2人たちは、2階の母親が使っていた部屋でゲームボーイのテトリスをしていました。下からは親や祖父母...
ショートショート 521~5302019.06.10 14:24521.祖父の葬儀後、家の中で気配や祖父の香水や湿布の匂いがする時があり、「まだ祖父がいるのか」と家族で喜んでいた。しかし引っ越した後その家は女、男、子供の、更には化物が出ると心霊スポットになった。今でも祖父はそこにいるのか。いや、私達が感じていたアレは本当に祖父だったのだろうか...
ショートショート 511~5202019.06.03 13:31511.元々世界には野生のWiFiが飛んでおりそれを視覚化したものがルーターやマークというだけで、どうにか捕まえれば山奥でもネットに繋がらせる事はできるが何しろ野生な為パスワードが人間の為ではない言葉(或いは有の為の言葉)であったり不意に無限へと繋がりデジタル世界の根元に迷い込む...