お囃子

小3ぐらいのとき。

紅葉を見ようとこの山に父さんと一緒に入った。長袖だけど上着きてなかったし、多分九月くらいかな?

歩いてたら、どっか遠くからお祭りのお囃子とか太鼓の音が聞こえてくんの。

爺ちゃんに「聞こえる」って言っても全然信じてくれない。聞こえない、バカな事をいうなって。

でも聞こえるから、ふらふらその方向に歩いてったら、

いきなり後ろから爺ちゃんに腕を掴まれた。どこまで行く気だ!!!って物凄い剣幕で怒鳴られた。

はっとして周りを見たら、自分が全然知らないところまで来てた。

腕を掴まれながら小走りで戻っていったら、

歩いてる時は全然祭囃子が大きくならなかったのに、少しずつ音が遠ざかってったのが不思議だった。


自分では三十分ぐらい遊んでた感じがしたんだけど、

母さんによると、いきなり走っていって数分もしないで戻って来たらしい。

何なんだろうな。 

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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