ショートショート 501~5102019.05.27 14:18501.16ビートの鈍行に揺られ、私は制服のまま行きかけた離任式をすっぽかした。私が見送らんでも彼らはきっと、元気に生きるだろう。それよりも私はこのよくわからない息のし辛さから解放されたかったのだ。いつもは忙しないと思っていた電車の音も自分好みにこんなに緩やかで、ああ窓の外は桜が...
アクセスする奴2019.05.25 12:41これは3年程前だが、 当時の俺は大学の対人関係に悩んでて鬱っぽくり、自分の気持ちを整理する為にブログをやることにした。 まぁ、当然そんな自分語りなブログを見る奴なんていないわけで、 ランキングとか気にせず、1ヶ月間くらいダラダラ愚痴を書きなぐってた。 最初の一ヶ月は死にてぇ死にて...
次元ジャンプ体質2019.05.25 07:30あんまり怖くないんだけれど、俺はなんか次元ジャンプする体質っぽい。次元っていうのは正しくないのかもしれないのだけれど、世界を飛び越える感じ。結構昔から、不意に体がガクンって3mmぐらいずれて放り出される感覚っていうのがあるのね。多くても年に2,3回ぐらいなんだけど、本当に不意で、...
父の遺品2019.05.19 08:14私は、割と栄えた地域で父子家庭の一人っ子として育ちました。 男親ということもあり、小学生のころまでは祖父母と暮らしていましたが、 次男の父と長男の伯父とのが色々揉めたみたいで、中学生のころには父と2人暮らしになっていました。 男の2人暮らしということで、仲の良いという感じではない...
覚えのない掛け軸2019.05.16 08:41今から四半世紀前、私が小学校中学年だった5月、家族総出で家の中を大掃除した。 父親は古いものが押し込めてある納戸に掃除に入ってたんだけど、 お茶休憩の時「見たことない怖い掛け軸があった」と祖母に話していた。 すぐ祖母も納戸に行ったけど、ぞっとした様子で「確かに見たことない」とか言...
多い2019.05.11 03:18ごくたまに存在感が一人分より多い人がいる。かなり親しくつきあってしみじみ感じるものなので、今まで三人しか会ったことないけど。 一人は霊視みたいな事ができる人で、なにげなく相談とかすると、私の身体が急に熱くなったり、後ろ首やみぞおちに妙な感触を覚えて、その後その人から「ヤバい感触は...
古代文字のような名前2019.05.06 06:09中学校1年生のときの初めての定期テスト。 1時間目は社会だったが、問題をすべて解き終わっても20分ほど時間があまった。 見直しをしたが、間違ってると思えるところはない。 そのままぼうっとしていて、あと数分で終了というとき、ふとテスト用紙の裏を見て愕然とした。なんと、用紙の裏半分ほ...
穴に誘う2019.05.01 09:36俺の中学校は、通学路とは別に近道があった。 かなり複雑な道で、千切れた鉄条網、膝ぐらいまである草、地面のぬかるみ・・・ だが、10分は短縮できたので、いつもそこから行っていた。 中二の冬だったかな。帰り道だった。 千切れた鉄条網をくぐろうとしてはっと横を見たら、 10mくらい先の...
奇妙な足跡2019.05.01 09:16中野で賃貸住宅を探していた。 結婚したばかりの妻がいて、同居人可のところを探す必要がある。 更にペット(変に思うかも知れんが、ホンモノの「鷹」)がいるのでペット可マンションを捜さなければなれず、しかもペットがペットなので部屋探しは難航していた。 そんな中、ある不動産屋でペットの件...