古代文字のような名前

中学校1年生のときの初めての定期テスト。

1時間目は社会だったが、問題をすべて解き終わっても20分ほど時間があまった。

見直しをしたが、間違ってると思えるところはない。

そのままぼうっとしていて、あと数分で終了というとき、ふとテスト用紙の裏を見て愕然とした。

なんと、用紙の裏半分ほどにまだ問題が印刷されていたからだ。

「あ、あ、あ、間に合わない」

あせっていたら、そのとき、目の前がぐにゃんとゆがんだ。

目をこすりながら顔をあげると、黒板の横の時計が目に入ったが、

「え?」テスト終了時間まで、まだ20分残ってた。

何度も確認したが、それは変わらない。

で、わけわからないながらも、テストの答えを最後まで書いて提出した。

数日後、テストは帰ってきたが、点数は62点。

裏を見ると、答えの欄はすべて埋められていたものの、

そこに書かれているのは、見なこともない、自分で書いたつもりもない、異国の古代文字のようなものだった。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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