私似の

昔の彼氏から聞いた話。


私と元カレの出会いはパソコン通信。

初めてチャットした時から何故かとても彼が好きになってしまい、

オフ会で私のほうから告白した。

私はデブス、彼は芸能人並の美しいルックスなので、

断られるの覚悟だったのに彼はすんなり了承してくれた。 


結婚の話も出始めた頃彼に

「なんで私と付き合ってくれたの?」

と聞いたら彼はため息つきながら、

「正直外見は全くタイプじゃないんだ。

でも小さい頃から君にそっくりな人にずっと好かれてるから」

と言う。

意味がわからないでいると、写真を見せてくれた。

幼稚園、小中高、大学…

どの写真にも私にしか見えない人が集合写真に写ってた。

私じゃないんだけど自分でも私に見えるくらいそれぞれ私に似ていた。

なんでも幼稚園の私似ちゃんに告白されて、

断った次の日に私似ちゃんが交通事故で死んでしまってから

彼の周囲には常に私似の人がうろうろしてるらしい。

だからオフ会で私に会った時に「また告白される」って分かってたんだそうな。

私似の人を断り別人と付き合っても、なんかその人がだんだん私に似てくるらしい。

さすがに不気味で彼親も一緒に霊能者なる人に見てもらったけど、

「あなたは一生そういう運命です。諦めなさい」

と言われたそうな。

なんだか混乱してしまい、色々考えた末に彼と別れた。

最近彼から結婚すると連絡が来た。私に似ているそうだ。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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