休日は鶴と共に

ソファーで寝転ぶ私の頭上で、彼女は鶴を折っていた。

お世辞にも器用だとは言えない彼女は淡々と鶴を折っていき、時折上手く折れた一羽を私に見せ、私が「上手だね」と言うと満足そうに微笑んで、他のと同じようにそっと床に放って、また新たな鶴を作り上げていく。

私はと言えば、床一面に広がった色とりどりの鶴を眺めながら

「これどうしようか」と2人で笑う、そう遠くない未来をうたた寝交じりに待っている。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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