31.「昔から動物に怯えられるんです。
これって何かに憑りつかれていたりするんですか?」
「・・・君本当は動物に好かれる体質なんだと思うよ。
でもね、ある動物の幽霊に好かれちゃって、それが他の動物を怖がせてるんだ。」
「その動物って…?」
「…君にすり寄っている恐竜が見える」
・・・
32.見知らぬ土地で、私を探す、探し人の張り紙が大量に張られていた。
・・・
33.「ガコン」
猫ドアから音がした。
猫が帰って来たかと思い、迎えに行くと、そこには
ジッとこちらを見つめる男の頭が差し込まれていた。
その男は唖然としている私を凝視しながらモゴモゴと何かを言い、
まるで誰かに引っ張られたかのようにズッと引っ込んでいった。
・・・
34.家に帰るとパソコンの画面が割れていたのだが、どうみてもパソコンの内側から何かが突き破ったようにしかみえない割れ方だった。
出かける前に調べていたのは魔方陣の図だ。
もしかしたら今時の悪魔は
デジタルに適用しているのかもしれない。
・・・
35.学年1モテる男がゾンビになって内心
ざまあみろと思っていたのだが、
ゾンビになってもモテるテクニックを存分に発揮し、次々と女性をゾンビにさせていっている。
・・・
36.首を括ろうと輪を作り、ぶら下げると、輪っかの中だけ風景が違った。
空が赤く、木は枯れ果て、地面が割れている。
なんだこれは…
そう思っていると遠くの方で
角だろうか、頭に突起物のある人影がこちらを見て、嬉しそうに手招きをしていた。
私はまだ、その世界に顔を突っ込む勇気はない
・・・
37.病気で亡くなった旦那が夢で
「移住先を見つけた」と言っていたので、私は家具や持っていきたい物を全て燃やし、金魚と共に
心中という名の引越しをしたのだ。
・・・
38.幽霊に足がないという通説は、昔に絵師が幽霊画を描いた時に、墨が足りなかったため、それっぽく足を無くしたかららしいよ!
だから本当の幽霊は、足あるんだね!
クラウチングスタートだったしね!
というか滅茶苦茶速いね!!
…うわっ!回り込まれた!!
・・・
39.子供の頃、シーツお化けと遊んだ事がある。
白い布を被ったそれと、眠れない日はよく遊んだものだ。
しかし、悪戯心が働いてバッと布を取ったんだ。
布の下には赤黒い肉片が浮いており、
「ヒッ」と声を上げるとグニャリ…と
哀しそうに歪んで、それ以来見てはいない。
・・・
40.古びた神社に入ると、社殿の扉が開いた。
中には寝転んでいるのだろう
大きな顔の右目が此方を覗き見ていた。
「おやぁ、しとちがい」
それはズシリとした声で呟き、窮屈そうに右手を出して
「やろうぞ」
と言って青い木の実を渡してきた。
キラキラと光るそれを、今では孫が大切にしている。
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