ショートショート21~30

21.パスワードを忘れてしまった。

秘密の質問は「昔住んでいた土地の名前」か。

えっと…

「昔遊んだ友人の名前」

はいはい…

「その友人と遊んだ場所」

あの廃墟だな。

「そこで起こった出来事」

あそこで彼は

「断末魔は」

恐ろしく

「最後は」

真っ赤で

「彼は」

「今も」

「そこで」

・・・

22.壁に穴があった。

奥は真っ暗で何も見えない。

試しに木の棒を入れてみるが何にも

当たらない。

つまらないな、そう思い棒を抜くと

穴に入れた所まで先がスパッと無くなっていた。

次の日、そこをみると穴は無くなっていた。

そして関係はわからないがクラスの子も1人行方不明になったのだ。

・・・

23.僕の郵便受けに毎週火曜日に

「返してください」と達筆に書かれた手紙が送られる。

宛先は様々なのだが字は一緒だ。

そんな事が続いて半年が経った頃

「ありがとうございます」

と書かれた手紙が1通。

それ以来その手紙は来ていない。

僕は何を持っていて、何を返したのだろう。

・・・

24.目を閉じて階段を数えながら降りると数が変わる。

そんな噂があったので、試しにやってみた。

1.2.3.4…10

1.2.3.4.…9

おお、本当だ。

もう一度

1.2.3.4.…8

1.2.3.4.…7

あれ?

1.2.…6

1.2.…5

….4

…3

.2

1

一歩も動けない

・・・

25.僕の学校の旧校舎1階廊下には幽霊が

出る。

不思議なのはその幽霊が

「必ず後姿で現れる」という事だ。

『顔を見たい』

その提案に乗ってくれた友人と一緒に、あの幽霊を挟み撃ちにした。

こっちからは後姿が見える。

なら友人は顔を…

「「顔見えた?」」

僕と友人は同時に叫んだ。

・・・

26.母が亡くなってから、精神的に弱っている為か仕事がうまくいかない。

しかも幽霊が見えるようになってしまった。

そんな時は落ち着くために、私の大好きなシナモンを沢山入れた

シナモンココアを飲むのだ。

…今度は落ち武者がココアを欲しそうにこっちを見てきた。

・・・

27.部屋の壁が盛り上がってきた。

日が経つにつれ、目鼻口のような凹凸がつき始め、遂には苦しむ人の様な顔になった。

大家さんに許可を貰い、壁を壊してみると中から1年前から行方不明になっていた人の骨が発見された。

不思議なのは、ここは築8年であり、私が越してから5年が経っている事だ。

・・・

28.カマキリを十何匹も捕まえたので学校へ持っていき、クラスで飼うようにしたのだけど、気が付いたらカマキリが

1匹だけになっていて、

クラスの人達がおかしくなったのは

それからだと思う。

・・・

29.「なんだよもう!!」

僕は苛立ちに任せて地団駄を踏んだ

『なんだよもう!!』ドンドン!

上の階から僕と全く同じ叫び声をあげ

、地団駄を踏む音が聞こえた。

『なんだよもう!!』

下の階からも聞こえる

『なんだよもう!!』

右、そして左の部屋

『なんだよ もう』

後ろから、聞こえる

・・・

30.痴呆のお婆さんが最近、窓に手を当てて外を見ている。

話を聞くと「お爺さんが会いに来るのよ」との事。

窓が汚れてしまったので拭くと、

お婆さんの手より一回り大きい手形が外側から付いていた。

そんなはずはない。

だって此処は病院の8階なのだから。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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