11.森で子供に会った。
「まーくん久しぶり!」
あの子は昔遊んだ子だ。
挨拶もそこそこに僕たちは駆け回っていた。
楽しい楽しい楽しい!
目が醒めるとそこは森の中で僕の傍には小さな狐が眠っていた。
仕事へ行かないと。
そう思う自分と異様に疲れた足が対照的だった。
・・・
12.誘拐された妹から手紙が届いた。
「私は元気です。心配しないで。」
これが鏡文字だった事と、手紙を家の鏡の前で見つけた事は、何か関係があるのだろうか。
・・・
13.やたらと大きい人魂が飛んでいた。
よく見ると二つが歪に絡まり、境目がなくなっている。
「これはね、心中をした恋人の魂だよ」
祖母が悲しそうに呟いた。
・・・
14.人食い民族のいた村では、たまに
透けた骸骨が転がっているのが見えるのだそう。
幽霊になっても彼らのご飯は
変わらない様だ。
・・・
15.友人が最近体が重いと言い出した
「体が下に引っ張られている様だ」
その友人が下半身が土に埋まった状態で絶命したという。
後日聞いた話で、その友人は裏で詐欺師よりもひどい悪事を働いていたそうで、それが原因で死んだ人もいると言う。
「地獄に引っ張られたのだろう」彼はそう語った
・・・
16.親友が眉間に皺を寄せながら何かを書いていた。
「何書いてるの?」
『お前を助ける方法だよ!!』
驚いたが、それ以上は聞けなかった。
次の日恐る恐る声をかけてみるといつもの友人に戻っていた。
それどころか昨日の会話すら覚えていなかった。
・・・
17.私の家に、夫婦の幽霊が出ていた。
奥さんは身重のようで、旦那さんが常に気を配っていた。
ある日、家に帰るとその夫婦が待ち構えていた。
腕をみるとなんと赤ちゃんが。
3人で泣きながらお祝いしました。
幽霊が出産。
もしかしたら、彼らは幽霊という種族なのかもしれない。
・・・
18.その廃墟にはマネキンがあった。
それは立ち尽くし何かに手を伸ばしているのだ。
手の先を見てみると、1つの止まった古い時計があった。
僕がゼンマイを巻いて、
時計が動いた瞬間、
そのマネキンは塵になって崩れ落ちてしまった。
あれは本当にマネキンだったのだろうか。
・・・
19.「あなた?私よ!私です。」
その5cm程の正方形の異様に重い箱は、時折ガタガタと揺れながら妻の声で私を呼んだ。
「ここをあけてください」
『開けてはダメです!』
横にいる妻が震えながら叫ぶ。
僕は好奇心に勝てるのだろうか。
・・・
20.山奥に立てられた「ここです!」
という手書きの看板。
友人と共に掘って見ると下から白骨死体が出てきた。
後日犯人が見つかったのだが、犯行は10年前で、当然だがそんな看板は立てていないという。
なら誰があの死体を発見し、あの真新しい綺麗な看板を立てたのだろうか。
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