「腹が立ったから食ってやった」

友人がヤバい。

何がヤバいって、疫病神がついてんじゃねえかってくらい不幸。

両親は事故死、

唯一の兄弟であった弟さんもやまいに倒れて、

友人は一時期本当に真っ青な顔で過ごしてた。


本題はここからで、

ある日夢を見たらしい。

もうものすごいみすぼらしい格好をしたお婆さんが自分の目の前に立ってたと。

直感的にこいつが原因じゃないのかと思った友人は、

突然お婆さんにつかみかかり頭から文字通り食った。

そりゃすごい勢いで食った。

血なのか脳なのかわからんどす黒いものも爪も髪も全部食ったらしい。


それからというものの、

弟さんの病気は回復しつつあるという朗報。

スクラッチくじが十数万当たるわ、

無くしたと思ってた両親の遺品は出てくるわ。

職も危うかったらしいが、

自営業している親戚とばったり出会って話が弾み、そこに就職。

現在はのんびりと仕事をしながら、

弟さんの退院の日を待ちわびている。


友人いわく、

「腹がたったから食ってやった」

最高にロックな友人の話。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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