からだとつながることができました

今年の夏の出来事です。

その日は残業で、帰りは12時過ぎになりました。家までの道は街路灯も少ない田んぼ道です。

車を走らせていると突然、「ドンッ!」と大きな音と衝撃を受けました。

やばい!これって絶対人撥ねたと思い、すぐ車を止めて降りました。車の周りを探しても、人はいません。

犬猫などの動物もいません。暗くて、車の傷とかも解らなかったんだけど、間違いなく、何かに当ったはずでした。

スマホの明かりを頼りに、何気なく車の下をのぞきました。すると、車の下には髪の長い女がいたんです。

しかも首から下はありません。怖くなって、逃げるように車に乗り走らせました。怖くて、その場から離れたかったのです。


朝になり、警察に出頭して昨晩の事を話しました。「それってひき逃げだぞ!」

と叱られ、とりあえず現場検証で連れていかれました。しかし、痕跡がなく、それではと車両を調べられました。


「これかー!」

と警察官が叫び、這い出てきたその手には、黒い髪の日本人形の首を持ってました。


なんでも、ひっかっかてたという事だ。なぜ、そんなものが車の下に・・・

その後も警察は色々調べていましたが、事故・事件らしい痕跡は見つかりませんでした。

一応無罪放免になった私は、

その、人形の首をもらい、人形供養のお寺に持ち込み供養していただきました。


その晩、ここからはあくまでも夢の中の話になりますが、その人形の夢を見ました。

首だけの人形が出てきて

「ありがとうございました」「やっと、からだとつながる事ができました」


ウワーッと起きると、あの人形のような和服の女性がドアをすり抜けていきます。

ハッと気づくと朝になっていて、ドアの所に夾竹桃の花が一輪落ちていました。 

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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