【蒐集家蒐集】二人の最果て、エデン、その手段2019.06.26 13:35「私達は、どこまで一緒に居れるのかしら」僕は今、とある蒐集家の家に来ている。その家はまるで病院の様に白く、余計の無い白熱灯が優しく壁を光らせていた。大きな窓は、点々と置かれた観葉植物の為だろうか。「いらっしゃい、こちらよ」そう言われ、奥の部屋へ進むと広い部屋があった。壁一面には額...
【蒐集家蒐集】魂が先か身体が先か2018.09.21 13:16「この子達はみんな、私が作ったのよ」僕は今、とある蒐集家の家に来ている。その建物は山奥にあり、なんとも無機質な家だった。研究室のような部屋に犇めき合っているのは、ネズミから大きいものならライオンまで、生前の姿そのままに固まっている動物たちだった。「私は動物学者なの。亡くなった動物...
【蒐集家蒐集】文字に溺れ、浮かび漂う2018.07.15 12:28そこはまるで、文字の森だった。至る所に本や、ポスター、彼女が撮ったであろう文字の写真に、歌詞やアニメ、ドラマ、映画セリフ、人名・・・壁一面に文字、言葉、フレーズ、文・・・僕は今、とある蒐集家の家に来ている。「・・・あぁ、こんにちは!ごめんなさいね、今映画に出てきたセリフを書きだし...
【蒐集家蒐集】死してから2018.02.08 04:03その豪邸の玄関からまっすぐの所に女性の肖像画が掛けられていた。派手ではなく、素朴そうな、言っては悪いがこの家にはあまり似合わない…僕は今、とある蒐集家の家に来ている。その豪邸からわかるように蒐集物もなんとも煌びやかな宝石やアクセサリーだった。ネックレスに始まり、ティアラ、指輪、イ...
【蒐集家蒐集】音を楽しむ2018.02.08 03:21「第九の呪い」はご存じだろうか。『交響曲第九を作ると死ぬ』クラッシック音楽家の間で常に囁かれていた言葉だ。マーラーに始まりベートーヴェンまでその呪いは続き、33人中18人を殺した。それ以降作る人はおらず、20世紀になりまた作り出す頃に、やっと呪いはおさまったと言う。僕は今、とある...
【蒐集家蒐集】存在する無2018.02.06 15:48そこは、白でできていた。僕は今、とある蒐集家の家に来ている。真っ白の壁に真っ白の家具。光も計算されているのか影が極端に少ない。まるでここだけ色を脱ぎ捨てたよう。そしてそこにはこれまた白い花瓶や壺、箱が並んでいる。どうやら白と入れ物を蒐集しているようだ。「どう?綺麗でしょう?」家主...
【蒐集家蒐集】物になる2018.01.29 08:26「これ、元は人間だったの。」僕は今、とある蒐集家の家に来ている。殺人鬼の作ったネックレスに、人の髪で作ったヴァイオリンの弦。いわくつきのグローブドマリエ、6本指の手の骨格標本、修道女の首で作ったツァンツァ。悪趣味かつ美しい。彼女はそういったいわくつきだだったり珍しいものを蒐集して...