歩く水2019.04.30 08:46この間、会社の研修で東北の研修所(ト○○ムの研修所)に行ったわけよ。 で講義受けて、みんなで酒飲んで、寝るかーってなるじゃない。 酒飲む前に、風呂に入ってたから(ちなみに風呂は各部屋にあるユニットバス)湯船にはまだお湯をはりっぱなしだったんだ。 いつもはお湯抜いて、しっかり片づけ...
ショートショート 491~5002019.04.29 14:58491.「これ譲って!」そう君が可愛く懇願するから、私はソファを譲った。ライトを譲った。カーテンを譲った。テレビを譲った。殆どの家具を譲った。いつのまにか私の部屋は空っぽで、君の広い部屋には私の物が揃っている。「これ譲るから、最後のお願い」そう言て渡されたのは君の部屋の鍵だった。...
その家の巨人2019.04.29 13:48俺の通ってた中学校まで行く途中に、やたら高い壁(?)に囲まれた家があった。 友人とその家の前を通るたび、へんな家だよな、と話していた。 なにしろ門以外、すべてが高い石の壁に囲まれており、しかも、それより高い木々がはみ出していて、 まるで森みたいになっていたんだから。 でも表札はあ...
家に入られる2019.04.25 08:56俺の家って俺が子どもの頃からよく壁や天井が軋むような、叩かれるような、何かが倒れたりするようないわゆるラップ音が頻繁に聞こえるのね 例えば、俺が小学生だった頃は昼過ぎに学校から帰ってくると、親が共働きなこともあって家に俺一人になったりすることもあったんだよ ラップ音はそんな昼の時...
学生マンションへの出前2019.04.17 07:18大学生の頃の話 俺は下宿近くにある定食屋で出前のアルバイトをしていた まあ本業の片手間の出前サービスって感じで電話応対や√検索、 梱包、配達まで調理以外のをほぼ全てを俺一人でこなすという感じだ 客の大半は俺と同じように大学近くで下宿する学生なので1年もバイトをすれば 寮の名前や位...
ショートショート 481~4902019.04.15 12:25481.街に怪獣型女子高生が現れた。彼女はその巨大な尻尾で線路を塞ぎ、この国の最重要的大道路で体育座りをしている。ふと、下を見た。大混乱極める人間を見向きもせず彼女はゆっくりと「通行止め」の標識を引っこ抜き飴の様にがぶがぶと噛み始めた。まるで自由。不意にネクタイが重くなるのを感じ...
順番に砂嵐がやってくる2019.04.10 13:21俺は東北の港近くで工場勤めしてた。 県名は書かないけど、震災の被災者で、津波が来た、とだけ言っとく。 でも工場は、奇跡的に10~15cm水没しただけだったんだよね。 だから1,2ヶ月で平常運転出来たのよ。 で、この話は俺が7月位に宿直した時の話。 ウチの工場は夜勤とか早出が少なく...
ショートショート 471~4802019.04.08 12:00471.神様が人間を作ることに成功した世界では、神様がその新人含めた過去を概念規模で更新し、その用意された素敵な過去を背負い暮らしている。そんな事は世界の誰も知らなくて、隣の親友が昨日生まれた人だとも気付かない。皆問題なく幸せに暮らしており、しかし何か物悲しさを埋める事が出来ずに...
ショートショート 461~4702019.04.01 14:29461.未来へ行くと男女共に皆同じ顔をしていた。どうも未来では、優良な人間の腸内細菌を移す事でより良い人間を創る事に成功した。しかし何度も繰り返すうちに個体のオリジナリティは均等化され、遂には金太郎飴の様な個体しか産まれなくなったと言う。その為か皆、個を取り戻す様な奇抜な格好をし...
ロープだけ2019.04.01 08:36僕自身某コンビニでバイトしてたんですが、 シフトに入るはずの先輩が出てこない。 当時、携帯はあまり普及してなくて先輩と連絡が取れない状況。 おそらく、寝てるんじゃないのか、という店長の判断で 僕と仕事上がりのバイト2人で先輩のアパートに様子を見に行く事になりました。バイト先から自...