蒸気機関車に乗り込む半透明

小学生の頃、風邪にかかったのか急に熱が出た。高熱でフラフラ、天井ってグルグル回るんだなぁと実感したのを覚えている。

ずっと熱かった身体が急に寒くなり、震えが止まらない。真冬みたいな寒さでもう死ぬんじゃないかと怖くなって、ベッドから飛び降りてフラフラしながら家族のいる居間へ。

もう深夜だったけど、親が起きてたので寒さとダルさを訴え、薬か何かを飲まされて、安心して寝たのかベッドに運ばれたんだと思う。


その時見た夢が気持ち悪くて。

すごい人がたくさんいる駅のホームにいて、ホームやら電車がやけにレトロで、何もないホームに蒸気機関車みたいな感じ。

ホームはたくさんあって、全部同じ方向に向かっているみたいだった。皆無言で波のように電車?汽車に乗り込んで行くんだ。全員半透明で緑がかってた。

汽車はギュウギュウだし、皆無表情だし、気味が悪くて。すごい急いでる感じだったから乗らずにボンヤリ見てたんだ。

汽車の中に着物着てる綺麗な人がいて見とれてた。大正っぽい感じの綺麗な人だった。「どこ行くの?」って聞いたら「切符がないなら乗ってはいけない」って優しく言われたのを覚えている。

そしたら大きい汽笛が一斉にボーーーーーー!!って鳴って、駅のホームにいた制服来た人たちが、ユラユラ揺れながら「おーおーおーおー」ってずっと見送ってんの。それがすげー気持ち悪くて。

パッと目が覚めたら時計が4:44で。


汗だくになってベッドの上にいて初の金縛り...声も出ないし身体も動かない...時計が4:44だから子供ながら「あぁ、もう死ぬのかな...」って諦めて目を閉じたら朝だった。熱は下がってた。


んで、気持ち悪い夢見たなーくらいに思ってたんだよ、そんでばーちゃん家遊びに行った時にびっくり。

会ったことないひいばあちゃんの写真と着物の女の人がソックリだったんだよね。実際の写真より夢で見た方が若くて綺麗だったけど。パッと見てあれは同一人物ってわかった。

別に怖くないかもだけど、あれって死後の世界の電車だったのかなぁ...って今でも思ったりする。小学生ながらその時はすんごい怖かった。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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