変な作文

学校というのはなんだかんだで良く妙なことが起こる。

丁度この頃になると年度末、卒業に向けて学校全体で文集を作ったりするよね。

卒業生だけのじゃなくて、全学年分の文集。

各クラステーマ毎に短い文章を児童に書かせたりするやつね。

そんな文集の中でも低学年に限って起こる妙な話がある。

やっぱり低学年だと、時折不思議な日本語を使ったり

なんのこっちゃみたいな文章を書く子供はそれなりにいる。

そんな時は大体そのクラスの担任が手直しをしたりして体裁を整えるんだけど。そんな中で、理解不能な作文を書いてくる子供がいる。

理解不能と言っても文章自体は別段文法も間違っていないし

言葉を間違えているという訳でもないんだけど

その文章の意味するところが全く不明瞭な作文を書いてくる。

で、こういう作文が出てくると「またか」ってなるのよ。

明らかにお花畑や電波っぱな作文とは違って、分かるけど分からない。

この手の作文を書いてくる子供が必ずいる。


それだけならまあ「稀に良くある」みたいな話で済むんだけど

ところがそうもいかなくて、この手の作文が毎年出る。必ず出る。

「変な作文を書く子が毎年いる」んじゃなくて

「毎年同じ様な共通性のある変な作文を書く子が出てくる」んだよ。

けど、書いてくる児童にはそれらしい共通点もない。

かたや成績優秀で作文が得意な子だったり、かたや明るくて元気な運動好きな子

他にもゲームが好きな子とか、無論ちょっと内向的だったり、些かの事情がある子もいる。

そんな風に毎年、共通性のない子たちが同じ様な共通性を持った意味不明な作文を書いてくる。

という児童が知らない教職員の七不思議、のような話。


ちなみにその作文は

「○○しつのまどで、おねえさんとたくさんおはなししたよ

○○のこととかを、たくさんおしえてもらってさよならしたよ」

みたいな作文。(ある程度ぼかしてるのはご勘弁を)

○○室、お姉さんというのが大まかな共通項で、他にも

Nさんという人名が出てくることもある。

そこで子どもたちはその「お姉さん」とあることについて話したり

絵を書いて見せたりしている。らしい。他の職員に聞いたところでは髪が長いとか、帽子だとか

そういう付加情報が書いてあることもあったそうな。

総合すると「髪の長い優しそうなお姉さんで名前はNさん」と言うことになる。

年齢はよく分からないけど、低学年児童の目から見て「お姉さん」なので

勝手に二十代くらいではと思ってるけど、当然該当しそうな人はいない。一時期「不審者が校内に入ってきたのでは?」みたいな事になったけど

結局それらしい目撃情報もなかった、というか余り不安を煽っても、と

あまり公にどうのこうのみたいなのはなかった。

実害もなかったしなんだんかんだで有耶無耶に…まあその体質的に、と。


でまあ、書いてあるように毎年恒例になってるので、この「Nさん」に

関連した作文を書いてきた子にはやんわりと別な思い出を書こうね

と促してる。意外とみんな素直に別な作文を書いてくるし、それは普通。ちなみにそういう体験をした、Nさんと会った、みたいな話が児童の間では

意外とというか全く広まってないらしく、文集の作文でしか聞いたことはない。

「なんだか分からないけど実害はないし放っておこう」というスタンスだけど

個人的には何かあってからでは遅いのでは、とも思う、けど

実際自分が見た訳でも体験した訳でもなく児童の作文の上での妙な出来事なので

実際どうにかしろといわれてもどうしたらいいのかという事になるかなぁ…。


そんな作文が今年もきたので「学校って時々変なことあるよね」という話として。特にオチはないんだけど、上記の作文は今年のもの。原文ママではないけど。

で、この○○室というのは二階にあって窓はあるがベランダはない。

なんでちょっとヒュンっとはした。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

0コメント

  • 1000 / 1000