臨終の花

臨終を迎える花が居たので、見届けてやろうと隣に座った。

「申し…私を花だと思いますか?」

花が問う。

『違うのですか?』

「ああ…イエ…イエ…」


花の言いたいことはなんとなしにわかった。

鮮やかな色彩は失われ、太陽から顔をそむけ、ただ只管に死を待っている。


それから2日程が経った。

「アァ…」

そう香りを漏らし、ついに花は亡くなった。

土に埋める中、その花は未だ確かに花だった。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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