TAKE FAVEは放送済み

ギシ、ギシ

苔むした階段を上がり、ラジオ放送局へ入る。

「あ、あ、」マイク、スピーカーよし。


「あーあー、みなさんこんにちは。所によってはこんばんは。

こちら地球のラジオ放送局です。

M78星雲の方、プリュク星の方、トランセクシャル星の方

そして、火星へ旅立った地球人の方。

お元気でしょうか?わたくしはとても元気です。


えー、今地球ではコンクリートが崩れ、文明は崩れ去りました。

銃も武器も、国会議事堂も学校も、何もかもを植物が占領しております。

そして小川が流れ、緑が溢れ、原始的な風景が広がっております。

この美しい様子が、貴方たちの言う終末なんですね。


さあ本日のナンバーはポールデスモンドの『TAKE TEN』です。

わたくしは今から紅茶を入れて、茶葉が上がり下がりをするのを

眺めます。

それでは皆様、本日もよい終末を」

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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