1979年4月7日、10歳のランディ・パースケイルは、祖父・叔父・兄と共に、アリゾナ州オラクルにあるペッパーソース・キャニオンで、ハイキングを楽しんでいました。
その途中、ランディが一人で勝手に先の方へと進んで行き、遂には他の三人の視界から消えてしまいます。
祖父たちが急いで後を追いかけたものの、既にランディの姿はありませんでした。
その後、本格的な捜索が行われましたが、どこにも彼を発見できず。
彼らがハイキングをしていた一帯には、古い立坑があったので、誤ってその中へ転落したことも考えられました。
しかし、ランディの家族は「ランディは誘拐された」と訴えました。
その根拠の一つは、山道に残された「足跡」
ランディのものと思しき足跡が続いているのを辿っていくと、ある場所で途切れていました。
これは、そこで車に乗せられた可能性を示唆しています。
もう一つの根拠は、事件に関連する、あるメッセージ。
失踪事件から約6年後の1985年7月4日、ウェストバージニア在住の女性が、お釣りとして受け取った紙幣に不自然な「落書き」があるのに気づきました。
『フェニックス アリゾナ 僕は生きてる
助けて
ランディ・パースケイル』
このことがきっかけとなり、捜査機関も事件解明へと動き出しましたが、手掛かりは得られませんでした。
しかし、この4年後、フェニックスにある建設現場で、ランディの社会保障番号を使用した人物がいるという情報が入りました。
ランディの父親がその建設現場を訪れますが、残念ながら既にその人物は仕事を辞めていたのです。仮にランディが生きているとすれば、この時点で彼は20歳。
他の作業員に話を聞くと、その人物の外見的特徴は、どこかランディを彷彿とさせるものがあったとか。
紙幣のメッセージが、ランディ本人が書いたものだとすれば、建設現場で働いていた人物も彼である可能性が高くなります。
ただ、そうなると、彼はなぜ両親に何の連絡もしてこないのか。
あるいは、誰かがイタズラで紙幣にそれらしい文言を書いたのか。
今もどこかでランディが生きているなら、彼は40代後半のはずですが、事件の真相は謎に包まれたままです。
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