真っ暗な階段と廊下で

両親が法事で親戚のところに泊まりがけで家を空けていて、

私は期末テスト週間だったので、一人で留守番だったときのことです。


夜、テスト勉強を終え、シャワー浴びて居間の電灯を消し真っ暗な中、

2階の自室に階段を上がろうと壁にある階段の電灯スイッチをつけようとしたんだけど、カチカチやってもこれが点かない!

仕方ないので真っ暗な中、階段を一段一段あがりました。

うちの階段の数は16段あって2階につくので、いち、にい、さん、と数えてあがりました。

13段まで数えて、14段を昇ろうとしたとき空足を踏んでしまい、そこから先には段がなく、二階についてしまったのです。

16段のはずが、なんで13段で二階についたんだろう?

変だなと思いながら、廊下の突き当たりの自室に足を進めました。

さして広い廊下でもなく、5,6歩も進めば扉にあたるはずなのですが、

いくら進んでも何もなくて、私は暗闇の中を進んでいることに怖くなりました。

壁の電灯スイッチを探そうと手探りで周りを触ろうとしましたが何も触れません。

だだっ広い闇の空間に一人で彷徨ってるような感じがして、

私はギャーッと声をあげてしまい、その場に座り込んでしまったのです。

しばらくして右の耳元で「こっち」という、かすかな声がしました。

「え?」と顔を右向きに上げると、闇に目が慣れたのか、私が見上げたすぐ先に自室の扉のノブが見えました。

急いで立ち上がってドアを開け、自室のベッドに転がり込みました。


怖かったという思いと、なんだったのだろうと思う気持ちでいっぱいになり、

自室の明かりをつけ扉を開け、2階の廊下をそっと覗いてみました。

狭い廊下と、そのすぐ先のところに階段がありました。

あれはなんだったのか、いまだに謎のままです。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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