『今までごめんなさい』

今から約三年前、高校一年のときに自殺しようとしたんだ。理由はメンタルヘルス案件だから省くけど。

家出をして、夜中11時頃に大阪の西○条に着いた。

しばらく家族のこととか考えて適当に歩きまわっていた。

携帯を確認したら知らぬまに夜中の2時頃になっていた。

携帯は機内モードにしててGPSが起動できないようにしてて、着信履歴やメールはなかった。

ふと目の前に5階建てで階段が外についてるグレーの建物があって、そこで飛び降りようと決意した。

他にも高いマンションとかあったけど、入り口が入れないところしか見当たらなかった。

いつも持ち歩いてるメモ帳を一枚とって、『今までごめんなさい』とその場で書いてポッケに入れて、

その建物からそれまでの2年間を切って後悔しながら飛び下りた。

頭から落ちようとしたけど、縦に一回転して道路に足から落ちた。

全身に強い衝撃が走ったとともに周りが真っ暗になった。

痛みがないと不思議に思っていたら、誰かになにか声をかけられた。

あの世の人かなと思っていたけど、肩を叩かれていたからそうじゃないとすぐわかった。

目を開けたら夜が明け始めていて。

僕のそばにいかにもジョギングしてる服装のおっさんが、

「君、こんなところで寝ててどうしたんだ??大丈夫か?」としきりに言われていた。

僕はすぐに声はでなかった。

辺りを見るとその例の建物が後ろにあって、自分の体をみると足は折れてもなく傷すらない。

ここでようやく「大丈夫です心配お掛けしました」とおっさんに対して言って、その場から逃げるようにして去った。

咄嗟に西○条駅にいき、関東にある実家に一回帰ろうと考えていた。

5分ほどで駅につき、駅にある時計をみると朝6時になっていて電車が走っていた。

電車に乗り一旦落ち着いた。

そこで今までのは夢だったのかなと考えていて、ふとポッケのに手を入れた。

そこには飛び降りる前に『今までごめんなさい』と書いたメモ用紙がズタズタになって入っていた。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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