呪いに打ち勝つ方法

俺の家は女系で男はめったに産まれないか、産まれても成人までいかずにお陀仏。 

けど俺は現在22歳で、生きてるというミステリー。 死にたくないから頑張った結果だ。 

親戚からは、冗談交じりで「このオカマ野郎が」と言われてる。 

じいちゃん、ばあちゃんは喜んでるがね。 


>男だと思ってるだけで、実は女なんじゃね?


男だよ、まごうことなきマッチョメンだよ。 外見上の性別微妙だったのも、二次性徴前までだよ。 19歳のころに原因と思わしき場所に出向いて、一晩居座って愚痴言い続けたんだ。 

「本人ならまだしも子孫祟るとか、お前それ年長者としてどうよ」ってな趣旨でオールナイト。 

俺もよっぽど鬱憤溜まってたんだろうな。 最初こそ恐かったが、段々何でテメェみてえな理不尽野郎に振り回されなきゃなんないの、ってなってきてね。 喋りが止まることは無かった。 

そして、屋外でぶつぶつ言ってるサイコさんなのに、幸いにして通報もされなかった。


場所はまあ、墓というか石碑というか・・・そんな感じの場所。 どうにも明治あたりに、そんときの当主(つっても便宜上で、せいぜい小金持ちレベル)が、 愛人に無体な振る舞いをしたらしいんだわ。 奥さん差し置いて先に子ども、しかも男産んだから、 体裁取り繕うために子どもだけ引き取って愛人ポイ、当然跡取りにする気はナッシング。 で、その愛人がプッツンして自害。よくある痴情の縺れってやつですね。 

まあ、その頃からじわじわと女系になってるらしい。 で、明らかに原因アレだろってことで、とりあえず最初に書いた墓っぽいのを自分とこの土地に建てた。 

そこは、ミニサイズの畑の間に盛り上がった感じのとこで、でかい木があんの。 そのそばに建ててあるもんだから雰囲気ありすぎ。 

そこで一晩中、理屈っぽいと嫌われているこの私めが、 いかにアンタのやり口が理に適わないか、 仮に俺を殺れたとして、それは霊の存在の証明に他ならないから、 俺は霊となった状態で、アンタに生まれてきたことを後悔すようなことをしてやるぞ、 といった内容の説得兼脅しをし続けたのです。 

ちなみに、婿養子とかの他家からきた男は影響全くなし。 子どもとして産まれたらアウト。

大体が18、19で死んでる。 俺が行動を起こしたきっかけは、母の「アンタもそろそろやから覚悟しとき」という一言。 そして、キッツイ姉達がなんか妙に優しくなってきたことの二つ。

 戦わなければ生き残れない!!覚悟完了!我を砕き給え!の精神で突撃かましたワケです。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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