ハレルヤ

幼稚園の時、祖父が亡くなった。

自分はその時、TVでアニメを見ていたのだが、

突然隣の部屋から大音量で『ハレルヤ』が聞こえてきた。

驚いて部屋を見てみると、壊れていたはずのラジカセから聞こえてくる。

あまりにも怖かったので、台所の母親に助けを求めたのだが、

「そんなものは聞こえないわよ」と追い返され、ますます怖くなった。

しかし、ラジカセから大音量で流れる『ハレルヤ』は止まらず、とにかく聞こえないようにTVを見続けた。

しばらくすると親が「おじいちゃん家行くよっ」と大慌てで俺を抱えて車へ。

するとラジカセの『ハレルヤ』は止まり、訳も分からず親戚の家に行った。

親戚の家で祖父が亡くなったことを言われ、俺は混乱して号泣した。

祖父はバリバリの仏教徒でキリスト教ではないはずなのに、なぜ『ハレルヤ』が聞こえたのか。

しかも『ハレルヤ』はクラシックのような厳かな感じではなく、どこか嬉しそうな、

やっと来たみたいな感じだった。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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