子供用布団

小さい頃私が使ってた子供用布団はときどきワープした。

母親に朝起こされるときに布団をかけておらず、布団は変な場所にあっていたりして。

「ちゃんと布団をかけて寝なさい。今度はどこに布団を隠したの」

と理不尽に叱られたことが何度もある。

…布団が勝手に隠れるんだからそんなこと言われても困る。

家の中で見つかるならいいが、なぜか近所のお婆さんの部屋や小学校の職員室にあったりもした。

(名前が縫ってあったので私のものだとわかった)

夜中にトイレに行くため部屋を出たら布団がトイレに先回りしていたり、

コタツの電源入れて足を入れたら布団が入ってたり、

家の外に置いてある大型冷凍庫に入っていたりした。


布団が私に恥をかかせる理由として思いあたるのは、自分の乳幼児期の行動。

母曰く、私は乳幼児の頃布団を憎んでいて、しばしば布団に暴行を加えていたらしい。

馬鹿=布団だと思っていて誰かを罵るのに「布団!」と言っていたらしいので

いかに布団を邪悪なものだと思っていたかがうかがえる。

わけがわからない布団だったが寝冷えで体を壊したことはないからいい。

それだけ。

母が語る驚愕の真実!あの布団には無念の死を遂げた女の情念と遺髪が!!

…みたいな、「その後布団関係者や家族とその話をしたんだけど~」展開はない。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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