見知らぬ人物

先日小学校の同窓会があって、出席率のいい我がクラスは物故者以外全員出席。

ヨボヨボながら、恩師も健在。

○○小学校6年2組のメンバー勢ぞろい。

…で、持ち寄った小学校アルバムの全員集合写真を指さしながら、

「これは誰それ、それは誰それ」と、微笑ましく名前を読み上げる恩師。

ああ、よく覚えてくれてるなあ、とン十年ぶりの恩師に感動しながら見てたら指が止まった。

悲しそうに「すまん、この子はどうしても思い出せん」

で、みんながそれを誰だか当てようとしたけれど、皆思い出せない。

そのうちに、名簿と人数と、顔と照らし合わせていったら、一人多かった。

ところが集合写真ばかりじゃなくて、遊んでたり笑ってたりする写真にもその男のコあちこちに写っていた。

俺ら全員、恩師も含めて記憶のないその子の存在になぜか、胸に引っかかる物を覚えたまま帰宅。

思い出したら教えてくれよ、と互いの電話番号も交換して別れたのだが、誰からも情報は届かない。

一人だけ、どこか時空の歪みに入ってしまって、俺らの記憶からも消えてしまったのだろうか?

などと、荒唐無稽な事を考えている自分50代。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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