自分がまだ専門学生だった大昔の話。専門学校の友人達と、街婚のグループ交際という形で彼女できたんだ。
当時の自分はこの子ことを運命の人だと信じてた。というのもお互い年齢と誕生日が全く同じで、子供の頃は霊感があって、
実親から捨てられてるという幼少期の境遇も同じであったからだ。他にも双子ではないかと思うくらい音楽や食べ物の嗜好など共通点は多かった。
その頃二人だけの時にしかしないソウルメイトという設定で盛り上がっていた。宗教的な話でも具体的なオカルト理論でもなんでもない。
死後の世界、二人は同じ光で2つに分かれたというくだらないバカップルの口から出まかせのいちゃいちゃ話である。
しかし俺ら二人の設定は少し不気味なものだった。その設定というのは、
この世界に生まれる前にすでに仲の良い5色のテディーベアだった。黄色が自分で、緑が彼女。
残りの3人には、自分や彼女の友人・知人・家族は含まれていない。まだ出会ったことのない顔も知らない人達である。
しかし彼らも同じ星の下に生まれたものである。来たるべき日に、全員が揃うというもの。
忘れもしない6年前の10代最後のクリスマスイブの夜、自分の部屋で、話題がそのソウルメイトの話になって、
いつになったら全員揃うのかという話になり、彼女が「でもみんな、子供頃約束した通り、20になったら集まるんでしょ?」と言った。
その瞬間、俺は誰か頭に中にいるのではないかと思うくらいスラスラと不気味な返答した。
「いや、全員集まることはないよ。ほら虐待されてた可哀そうな子。紫は殺されたんだぜ?」
えっ!!
戦慄が走った。
その時まで忘れてたんだが、保育園に入る前まで、夢の中で、テレパシー電話みたいなので誰かとつながっていたことを思いだした。
現実の世界とは別の世界を確かに俺は生きていた。
彼女の方が具体的に覚えていて、定期的にみんな集まって自分たちの生まれた環境について拙い言葉でそれぞれが話していたのを覚えていた。
もう一つ決定的だったのは、小学生4年の頃、たまたま家族と、全国版のワイドショーで、
親に虐待されて殺された少年が流れてたんだが、その子の受けた痛みとかが伝わってきて、
俺は絶叫しながらその場に悶え苦しんだ。実は同じニュースをみてこれに近い体験を彼女もしていた。
彼女の場合金縛りと耳なりに襲われていた。
後で調べたらその少年とは年齢は一緒だった。誕生日までは怖くて調べられてない。
今まで恋愛の遊びでしかなかったソウルメイトが現実味を帯びてきて、もう二人ともこのソウルメイトの話は2度はなさなくなった。
あんなに楽しかったお互いの似ている境遇も嗜好に薄気味悪さを感じだし、だんだん会わなくなってその後卒業とともに別れた。
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