半身を作ってもらった

ずいぶん昔に、半身を作ってもらった事がある。

作ってくれって言ったんじゃなくて、作ってくれた。

俺の魂半分と他の奴の魂半分ずつ。生まれたと言った方が正しいかも。

作ってもらったはいいものの、俺そういう幽霊とかエネルギー体とか全然見えないんで自覚はなかったんだけど、半身が生まれた直後何も知らない友人に会ったら

「それ何」って怒り顔で肩の上を指さしだした。

何?って聞いても「その鳥」って言うから何だろうと考えて

「ああ」と半身の事を思い出し「いるんだなぁ」と実感した。 


どうも半身は初めて見る友人を警戒したように睨んでたらしい。

彼女は大丈夫だよーと半身をなだめ、明るく自己紹介を始めた。


ところで、友人いわく俺の半身は外見が鳥みたいだったらしい。

彼女は半身を「鳥」と呼んでた。呼ぶと「鳥じゃなーい!」と怒るらしい。

他にも半身の気配を感じたり見たりできる奴が居たんだけど、そいつ等にデコピン的に弾かれたり、飛ばされたりしてた。

なんか、よく遊ばれてたけど半身も楽しんでたみたいなのでおk。

最近見ないよって言われたけど、俺はまだ居るって信じてる。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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