『先生』

ラジオで聞いた話。

その投稿者が中学時代の行事で林間学校で体験した話です。

林間学校の一環として「ナイトウォークラリー」がありました。

夜、ペアの人と暗い森の中を懐中電灯をつけながらルートを辿るという簡単なものですが、

その途中で先生が脅かしてくるという、いわば肝試しですね。


順番を待っていると奥から他の生徒の叫び声や楽しそうな聞こえてきます。

「楽みだね」「怖そう」そんな会話をしていると、ついに私たちのグループも行く番になりました。

友人と二人、小さなライトを頼りに歩いているとオバケに扮した先生が飛び出してきて

「キャー!!」と騒いだり、とても楽しかったのを覚えています。


そしてゴール手前。

ゴールの脇の方に誰か先生がしゃがみ込んで飛び出す準備をしているのが見えました。

散々脅かされたし、今度はこっちが先に行って脅かしてやろう!

ゆっくり近寄って、「わっ!!」

そこに先生はいませんでした。

「あれ、先生は?」と友人に聞くと「え、誰かいた?」と言うのです。

おかしいなあ。逃げられたか何処かへ行ってしまったか。


ナイトウォークが終わったので、担任にゴールの手前にいた先生は誰か聞いてみました。

「いや、そこに先生はいないはずだぞ」

それもそのはず。先生は一応ルートの途中で生徒がはぐれたり、危険な目に合った場合にすぐ動けるようにルートの真ん中にいるのです。

ゴールの先に先生が待っているので、手前にいる理由なんかない。

思い出してみてもスタート、中盤、ゴール先、林間学校に同伴していた先生の顔は全てみていました。

では、あのゴール手前にいた先生はどこへ行ってしまったのでしょうか。


という内容でした。

この投稿に対してのMCのコメントが

「何が怖いって、この投稿者がそのお化けの事をずっと『先生』って言ってることだよ」

この一言にゾッとしました。


WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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