みょうみょうみょう

子供のころ、学校の裏にある山によく虫取りに行ってたんだが、ある日奇妙な体験をした。

その日も獲物を求めて、雑木林の中を散策しているときのこと、

俺はなにやら小さな声が聞こえることに気づいた。

その声は俺の近くから聞こえる。

なんだ?と注意して耳を立てると、それは俺の足元から聞こえていた。

よく見てみると、小さな虫達が円を作っている。声はその虫達から聞こえていた。

円の中心に、カナブンを小さくしたような虫がいた。

そいつは手足を縮めてころんと丸々と、

「まん丸お月さん、これどうじゃ?」

すると周囲の虫達が、

「みょうみょうみょうみょうみょうみょう」と騒ぐ。

俺はわけがわからなくて、ポカンとマヌケ面で見ていたと思う。

ハッと気づいたときには、ただの茶色い地面が見えているだけで何もない・・・。

なんかよくわからんが、俺が体験した夢のような話でした。

今でも疑問なのが、『みょうみょうみょう』ってどういう意味なんだろ?


※ 広辞苑を見ると『みょう』には、古い意味で『すばらしいさま。すてきなさま』というのがあるみたいだから、「すてきすてき」とか言ってたのかも。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

0コメント

  • 1000 / 1000