消えた弟と関連話

幼稚園のころ、一歳違いの弟と近所の公園で遊び、家に帰る途中の出来事。

その日、なぜか弟は足がのろく、何度も先にいってしまいそうになった。

やがて自分と弟との距離は、50,100メートルとあいていった。道は長い直線。

母親に『弟を責任もって連れて帰ってきて、誘拐とかあると怖いから』と言われていたので自分は後ろを振り返り、弟の姿を確認しつつ歩いていたのだが、距離は不思議に広がるばかり。

ついに、その道を大きく曲がって、自分一人家に着いてしまった。

すると、テレビの前で弟がねっころがっているではないか。

状況が飲みこめず、もう一度長い直線の道までひき返したが、すでにそこには弟の姿はなかった。

川をはさんでいるので、弟が近回りしたとはとても思えない。心配してずっと見てたし。

だから、テレビの前の弟を、本当の弟だと考えることにした。

今考えれば、遊んでいた弟はどこにいってしまったのだろう。気になる。


※この弟が書き込んだであろう話↓

両親が何かの用事ででかけてて、家で遊ぶのも飽きたんで外に遊びに行くことにした。

姉は当時6歳で、3歳くらいの俺と学校近くの公園で遊んでいたらしい(俺は覚えていない)

公園には姉の女友達だらけだったけど、俺は特に気にすることなく遊んでいたらしい。

夕方になってそろそろ帰ろうと姉は帰ろうとしたらしいが、どうも俺の歩みが遅い。

「どうしたの?」と何度言っても俺は10秒に数歩歩く程度で、前に進む気が無い。

最初はからかっていたのかと思い歩を合わせていたけれどそのうち頭にきて

「勝手にすれば!」とダッシュで家に帰ったんだと。ちなみに家まではどんなに走っても10分はかかる。

ダッシュ直後後ろを振り返ったのに俺は何も反応せず、とぼとぼ歩いてたらしい。

姉は「まあ道はわかってるだろうし大丈夫だろ」と考え、放任してさっさと家に帰った。

そしたら俺がテレビの前で寝てて、ハッチポッチステーションのエンディングが流れてたんだと。


俺にも一応その日の記憶はおぼろげにあるんだけど、どう考えても俺はその日、

姉と一緒にハッチポッチステーションを見てたんだ。姉は普段犬の声だったかグッチが嫌いでハッチポッチ避けてて、始まると部屋にひっこんだのにその日は一緒に見たいとかいってたから覚えてる。途中で寝ちゃったけど。

そして俺はテレビの電源に指が届かなかったし、リモコンはテレビの上にあった。らしい。(姉の話)


って話を3年前くらいに姉にされたのをこの前ふと思い出して、こことは全然違う板の違うスレに書いた。

そして先週姉(一人暮らし中)と法事で会う機会があって、「ドッペルゲンガーみたいな話俺にしたよね」って言ったら「してない」。

おっかしいなと思ってオカ板在住の俺は真っ先に「こいつ入れ替わったな!」とか思って、3年前に法事来た?って聞いて、来てたって言ってたし亡くなった人、その日俺の持ってたカバン、俺・叔母・姉と3人にしか話してない高校の話も覚えてたから

やっぱりこの姉は3年前の姉と同じで、まあそんなドッペルだのなんだのありえねーよなやっぱ、と思いだした。


でも俺の記憶ではやっぱ姉にその話をされていて、その話をしていたとき姉は酔ってなかったし冗談を言ってるような顔じゃなかった。

 単純に忘れてるだけだろ、と「ハッチポッチ」のくだりを話しはじめたら、姉はああ、はいはいと思い出した。

「その日のことは覚えてる。嫌いだったんだけどなんだか急にOPの曲が良く思えて、

あんたと一緒にハッチポッチステーション見た日ね。

でもやっぱり犬の声が嫌で(何度聞いても声で『キライ』と聞こえるらしい)あんたが寝てたの確認してテレビそのままにして部屋に戻って、ハッチポッチはその日以来見ていない」とのこと。

その日の番組の内容も話してみたら同じ。


でも姉によるとその日は雨だったそうで、公園に遊びにいくとかはありえない、とのこと。

現在姉23、俺19。

ハッチポッチの内容は「スマイリー高田」って名乗ったグッチが紙吹雪ちらかして自分で掃除するコーナー。

(よくあったコーナーだけど、姉はその1回しか見てないから記憶としてはOK…?)

ごっちゃごちゃでよくわからん文章ですまんけど俺もよくわからん。


※前者の姉の話であろう書き込みだと、一歳差となっているが、後者の弟であろう書き込みだと2,3歳差になっている。

これは話が似ているだけで接点のない人の書き込みだったのか、年齢にフェイクをいれたのか、はたまた何か姉弟の間に時間的な空間のゆがみができたのか・・・。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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