キャベツ七変化

訳の分からないことがあって、それがようやく落ち着いたので書く。

俺の家には爺さんと婆さんも一緒に住んでて、母親と父親は仕事の都合で家にほとんどいない。

その日も両親はいなくて、爺さん、婆さん、俺の三人が家にいた。


朝一番(6時くらいだった)に爺さんの声で俺が叩き起こされた。

「なんだ」と聞くと、「布団のところにキャベツが丸のまま置いてあった。どういうこっちゃ」と返事が来た。

爺さんボケたかと思いながら二階の爺さんの部屋に行くと、本当に丸のままのキャベツがある。

それも、この糞暑い季節にさっきまで野菜室に入ってたみたいにみずみずしくて冷たいやつが。

俺はびっくりして、爺さんと一緒に婆さんを呼びに行った。

最初に言った通り俺の両親はあんまり家にいないから、婆さんが台所仕事をやってる。

野菜みたいな食いもんと聞いて、何でかしらんが婆さんを呼ばないといけないって気持ちになったんだ。

多分脳味噌が半分寝てたからだろうけど。


で、一階で寝てる婆さんを叩き起こしてまた戻ったら、キャベツが四つ割になってた。

きれいに包丁で切ったみたいに。

はぁっ!?なんだこれ、って思いながらそれを婆さんに見せようと持ち上げたら、キャベツが腐ってた。

外の日の中に何日も放置されたみたいに干からびて傷み切ってた。数分しか経ってないのに。


何でそんなことが起こったのかわからない。

「泥棒か?」とか「警察呼ぶか?」とか言ったけど、

結局何にも盗られてないし、実害もなかったから、結局警察呼んだりはしなかった。

イタズラだと思うことにしたが、なんでそんなことをしたのかとか、どうやってそんなことをしたのか、さっぱりわからん。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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