白い空間

自分はある時期、あることをきっかけに怖い夢しか見なくなりました。

もう十何年も怖い夢を見てきたせいか、夢であまり恐怖を感じなくなりました。

怖い夢を見る毎日だったので、小さい頃に不眠症になりました。熟睡した記憶が何年もありません。

早い段階で社会不適格者になったわけです。

そんな夢を見るきっかけになったのが、白い空間でした。


小さい頃(小学2年)、5月27日。自分の誕生日だったからよく覚えてる。

5月27日の朝、朝食前に洗面台で顔を洗い、強く瞬き一回したら、朝から夜になったことがありました。

このことも今でも理解できないままなんですが、

その夜になった時、感覚、肉体的には、今起きたような感じでした。

そして、一日分の疲れも記憶もない。


家族の話によれば、その日の朝、俺がなにをしてたかまったくわからないという。

気づいたら朝飯も食べずに学校に行った、くらいに思ってたらしい。

電話で学校の友達に聞いたが、はっきり居たって言う人もいれば、居なかったって言った人もいた。

自分自身、その日は幼いながら考えてみたが理解できず、魔法が使えたくらいに思ってたと思う。


そしてその夜(5月27日)に、誕生日の夕食を食べ、プレゼントをもらった。

プレゼントはプラモデルだった。

でも自分で作れないし、兄貴に作ってもらうことになるだろと思いつつ、少しがっかりしていた。

期待はずれのプレゼントだった。プラモが好きなのは兄貴で、俺は別に好きじゃなかった。


がっかりしつつお風呂に入ろうと扉を開けた瞬間、真っ白の空間にいた。

扉も部屋も何もなかった。

距離感がよくつかめなかったけど、めっちゃ遠いとこに、ちっちゃい黒い点みたいな物を発見した。

そしたらだんだん黒い点がこっちに来て、なんとなく人の形っぽい気がした。

なんか怖くなって、逃げようと思って後ろを振り返ったら、黒い服を着た人が居た。

その人の顔とか年齢層とかはわからない。(忘れただけかも…)

でも服装は覚えてる。昔のヨーロッパあたりの、紳士か貴族みたいな人が着てそうな服だった。

その人が「来るにはまだ早い」って言ったので、

「来たくて来たわけじゃない」みたいなことや生意気なことを、プレゼントの不満もあったせいか結構言った。

そしたら、その人が「またね」って言ったら、朝になってた。

その日は5月27日だった。瞬きした場所にいた。


その日、朝食を食べながら何度もこの話をしたが、信じてもらえなかった。

5月27日はもう終わったとかいろいろ。

みんなに信じてもらえるために、「誕生日プレゼントって、もしかしてプラモじゃない?」って言った。

そしたら、親父が「プレゼント見つかっちゃったか」と笑ってた。腹が立った。

でも母親は、その日の夕食のメニューをすべて言い当てた俺に絶句してた。

いったいなんだったの?

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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