町工場

プロ占い師で、バイトでお祓いみたいなこともやってる友人から聞いた話。

「工作マシンの下を、たまに影みたいなものがスッと動く。軽い足音を聞いたという家族もいるから見てほしい」

という客の依頼で、ある小さな町工場を訪ねたら、確かに工場の中に5歳ぐらいの男の子がいた。


100年ほど前に亡くなったその家の先祖で、

彼には轟音を立てて動くマシンが大きなオモチャのように思えるらしく、

マシンが動き出すと嬉しくてウロチョロしてしまうのだそうだ。

座敷わらしの類で実害はないのだが、その男の子は叱られると思ったのか、

「ボクのどーゆーところが怖いのですか?」と泣きそうな顔で聞いてきたので、思わず吹いたと言っていた。


その家は、工場の中にジュースやお菓子を備えるようになって、

以後、何事もなく過ごしているそうだ。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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