[鳥取砂丘]白闇

4年前の正月の事。

鳥取砂丘近くで凧上げしてた時、感触として凧が見えない位上のところに天井があって、それに当たって何度も跳ね返されてる感じがした。

おかしいと思い30mくらい離れた場所にいる友人を大声で呼んでみたけど全く聞こえない様子で気づかれなかった。

どうしたんだろう?と思っているとザザザーていう感じで耳鳴りがしてきて、前に海があったんだけど、なんか白い光が遮ってて徐々に自分に近づいて来てるのが分かった。

突然、その光の束(直径5mの円形)が自分を覆って白以外見えなくなった。暗闇の白闇バージョン。記憶が飛んで鳥取にいる事も忘れ夢の中だと思ってた。「ああ、これが明晰夢ってやつなんだろうな」と思ったのを覚えてる。


白闇なので何も見えない。よく暗闇歩いてる時、私は弁慶の打ちどころ?足の膝下を知らない内に何か固いものに打ち付けて痛い目に合う恐怖心がある。

なので、その時もとっさに5cmづつ摺り足で手で何かを探すように前に伸ばして慎重に歩いてた。体感時間は10分くらいかな?えらく長く感じてもう嫌だよ~家に帰りたいよ~って喋りながら歩いていると、周りからクスクスとかキャハハとかフフフフとか面白がってる声がした。


誰かいるなら助けて~て言った途端、視界が真っ黒になってつまづいて前に倒れて手を着いた。遠くで懐中電灯の明かりが見えてやって来たら友達だった。

なんと私は約5時間も行方不明になってて、宿の人達でどう探すか計画していた部屋の前を目をつぶって彷徨いながら「もう嫌だよ~家に帰りたいよ~お腹減ったよ~」とコントで演技でもしてるかのような自分を目撃して追ったのだと言う。


家に帰って来て、しばらくして友達が精神科の先生の催眠術をかけてあの当時の真実を探ろうとしてくれた。

私は物凄く簡単に催眠術にかかり当時の事をペラペラ喋りだしたというが、途中から口閉じながらモグモグ言って時々笑顔でモグモグ、時々寂しくモグモグ、涙流しながらモグモグ、興奮してモグモグ、つまり意味の通じない時間が30分続いたあと、周囲の何かに笑われながら見送られ皆の元に帰ったという。

体の隅々まで診察してもらったが何も無かった。ただ、小学生の頃鉛筆の芯が右手に2か所入ってそのままだったのが消えてた。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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