深夜2時のチャイム

田舎のアパートの2階に一人暮らししてた時に、真夜中(2時過ぎ)にチャイムが鳴った。

女の一人暮らしで怖いので無視。

しかし何回も鳴るので気になって忍び足で玄関まで行って

ドアスコープ覗いたら老婆が立っていた。

ぶつぶつ独り言で

「◯◯さん困るねぇ」

と呟いてる。

ちなみにうちは◯◯さんではない。

もしやボケ老人?保護か通報するべきか?と悩んでいるうちに

老婆は諦めたように退散。

あー怖かった。と奥の部屋に戻ったんだけど、数分後にベランダから

メリメリメリ…という大きな物が裂けるみたいな音がした。

ガラス戸開けたら、さっきの老婆がアパート横の樹木に登って

太い枝を我が家のベランダの柵に掛けそこから身体伸ばして移ろうとしている。

笑顔で

「あ、◯◯さーん」

と片手を離した途端にまた枝がすごい音を立ててしなってる。

「ぎゃー!落ちるー!」

と悲鳴あげたらまだ起きていた向かいの部屋の男の人が窓を開け、その光景見て

「きゃーーー!」

と、なぜか私よりかわいい悲鳴www

慌てて駆けつけた男の人と私が協力して、老婆をベランダに引き上げるまで

何とか枝が持ちこたえてくれたので、けが人は出ずに済んだ。

警察に連絡すると心配して探し回っていた家族が引き取りに来た。


かわいい悲鳴の男の人とは、この夜の事がきっかけで付き合い

最終的に結婚したので、今でも時々夫婦で衝撃の光景だったね…と思い出す。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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