『夢で見た光景』

ある明け方に、二度同じ夢を見たんです。 

街で知り合いかな?と思う人を見かけて、暇だからと後を追う夢。 その人は自分に気付いてる風なんだけど、ちらちら後ろを窺いつつも無視して先を歩いてゆく。 さっきまで賑やかな街だったのに、いつの間にか線路沿いの寂れた道に入ってる。 自分の左側に線路とフェンス、ちょっと先に歩道橋みたいな跨線橋、もう少し先には高架の線路が見える。 

その人が跨線橋を渡るからついて行くと、線路の反対側は寂れておどろおどろしい墓地でした。 相手はもう後ろを振り返らない。 

怖いと思いながらついて行くと、墓地が途切れていきなり雪原。 いつの間にか背後の墓地も消えていました。 で、その人はざくざく去ってゆくのに、自分は雪に足を取られて歩けずに取り残される夢なんです。

二度寝したら墓地からやり直しでした。 そっちに行っちゃ駄目だと呼びかけても結果は同じ。 

気持ち悪い夢だったので、普段はしない夢日記をつけました。 で、自分にもその人にも悪い事が起きないようにと祈ったのです。 


それから何事もなく、二週間経ったある日。 友達に連れられて、山手線を恵比寿から渋谷へ向かう線路沿いの道を、初めて通ったんです。 

 すると、その光景があまりにもあの夢に似ている。 左側に山手線、歩道橋みたいな跨線橋、その先に高架の東横線…  

ちょっと怖かったので、 「この前見た怖い夢とそっくりだ」 「気のせいだよ」 なんて友達と話してた。 その時。 目の前の電柱だか自販機だかの貼り紙に気がついて、二人とも悲鳴を上げました。 

そこにはたった一言『夢で見た光景』って、短冊に筆文字で書かれてたんです。 


 それ以来その道は使ってません。 きっとこの先も通らないし、歩道橋は絶対渡らないつもり。 

偶然にしても怖すぎました。 まあこれだけなんだけど、こういう体験ってなんて言うんでしょうね。 デジャヴとも予知夢ともちょっと違うし…

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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