母の実家の謎の部屋

むかーし私が小学校2~3年の頃、何度も何度も同じ夢を見ていました。 それは、母の実家に母と二人で帰っていて、母、祖母、私の3人で、家(築100年)の2階の廊下の突き当たりの扉を開けて、棒の様な細く真っ暗な廊下を通って、突き当たりの扉を開けるというものでした。 

その扉を開けると、凄く穏やかで、明るい日差しが差し込んだ古い部屋があって、異様に大きく古く、足でこぐミシンらしきものが置いてありました。

そのミシンの前に見覚えのない、だけどどこか懐かしい老婆が座っており、私に優しく笑いかけてくれます。 

そういう他愛もない夢だったのですが、なぜかそれを何度も何度も見続けるにつれ、子供だった私は、それが現実なのか夢なのかわからなくなってしまいました。 


そして母と母の実家に帰省した時、よくわからなくなってしまった私は、祖母と母に直接聞いてみました。 そして、この他愛もなかったはずのこの話は、謎を深めていきます。 

私の問いかけに、母と祖母は「?」という顔をしながら、 「そんなのないよー」 と言いながら笑っていました。 ムキになった私は、 「ある!絶対ある」 と言って2階に駆け上がり、2階の廊下のつきあたりを見てみました。しかし、そこには古い巨大なタンスが置かれてあるだけでした。 「ほらーないでしょ。何変なこと言ってるの」 と言われながら、しぶしぶ納得したのを覚えています。それでこの話は終わったものだと思っていました。 


しかしその数年後、中学生になった私はその実家に行き、背筋がぞっとするようなものを見つけてしまったのです。 

中学生になった私は、そんな夢の事などもう忘れていました。そして久しぶりに実家に帰って、ふと家を見上げた時です。何かおかしいと感じました。 

私はその時、2階の廊下の突き当たりの向かい側から、家を見上げていたわけなのですが、そこに窓があるのです。 つまり、廊下の突き当たりのタンスの先に、窓があるんです。 当然、2階の部屋にそれに該当する窓はありません。というか、その部分だけぽっかりと部屋はないんです。 窓の中は真っ暗で、すすけていて何も見えません。

急にあの夢のことが思い出され、私は急いで家に入って階段を駆け上がりました。 そしてそこには、やはり古い巨大なタンスが置かれてあります。

でもその時、普通廊下の突き当たりにタンスは置かないだろう、ということに気づきました。 ここで私は急に怖くなり、その事を誰にも言う事ができませんでした。 


結局怖くなって何も言い出せず、それからさらに時間が過ぎました。(いや結構ヘタレなもんで…) 

そして高校生になった頃に、この事をふと思い出し、今度こそ何があるのか確かめてやろう、と思っていました。 そして実家に帰ったとき、またあの家を見上げました。 ぜーったいこの窓の事をばーちゃんから聞き出してやる、と考えてました。あの部屋は一体何なのか?なぜ部屋を封印しているのか?あの優しそうなお婆さんは何者なのか? 

でも、結局何も聞けませんでした。

なぜなら、そこに窓がなかったんです。  


これは夢オチではなく、実は現在進行中の話です。なので、まだ本当のオチはありません。

実は先日、その家が取り壊されることになり、最後と思ってその家を見に行ったんです。 で、その壁を見上げたところ、その部分だけ壁が新しく塗り潰されているのに気づいてしまいました。 つまりこれは、窓が潰されたことを意味しています。 その場にばーちゃんはいなかったので、まだ問いつめていませんが、近日中に本当の事を聞いてみようと思っています。

でも、部屋を封印し、窓を潰すことの意味。そして、見た事もないお婆さんと、足こぎミシンの風景。 あの明るく穏やかな優しい部屋を、あそこまで潰して抹殺してしまう意味を考えると、なぜか無性に怖くなります。 

実は私の母は、最初に「あそこに部屋があるー」と私が騒いだ数ヶ月後に、なんとも妙な事故で、誰にも気づかれることなく、一人で悲惨な死を遂げました。 もしかすると…と思うこともあります。正直、怖いです。

とりあえず近い内に真相を聞いて、またUPします。時空の歪みだったらまだほっとしますが。 長々書いて未完ですいませんでした~


※続報は見つかりませんでした。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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