[埼玉]顔に兄

なんか変なものに会った。

夜中にタバコの買い置きが切れてることに気付いて、でもないとわかると余計吸いたくなって。

仕方なく近所のコンビニに行った。有名フランチャイズだけど駅から離れた住宅街にあるコンビニ。 駅前まで行けば客が多くて明るい同系列店があるんだが、踏切越えないといけなくて面倒だし、でサンダルひっかけて近所の方のコンビニに行った。


買ったタバコをハーフパンツのポケットに突っ込んでぶらぶら帰った。マンションの前を通るんだけどそのマンションの生け垣んとこに人がいた。

カーキ色みたいな、暗いくすんだかなりサイズのダボっとしたパーカーのフードまで被って、グレーのズボンにスニーカーだったと思う。こっちに横向けるような感じで俯いてて、フードのからシャギーいれたみたいな黒い髪が少し出てた。

生け垣のそばで俯いてたからその人の影に隠れて小型犬でもいて散歩でもさせてんのかと思った。

日中のクソ暑い時間に散歩は犬も人間もきついし、動物好きの性でついどんな犬連れてるのか確認しようとしたんだ。 この時期日中の暑い時間避けて犬の散歩する人とかいるし 夜のだったし目がいい方でもないから気付くのが遅れた。


犬なんて連れてない。

何もない場所で俯いて立ってるだけってやばい奴かもとすれ違おうとした そんときそいつが顔上げた フードの中は輪郭も覗いてた髪もあったけど 肝心の顔には目も口もなんもなくて真っ黒で、それなのにネオンサインみたいな蛍光ピンクで 顔の真ん中に「兄」と書いてあった。

それ見た瞬間体に変な衝撃が走り逃げないとと思った。でも走ると追われそうで競歩みたいにして家まで逃げた。振り返ったり出来なかったから家の鍵開けるときが一番緊張した。すぐ後ろにいそうな気がして。

俺は霊感0だし兄でもないし兄もいない。あれはなんだったんだ。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

0コメント

  • 1000 / 1000