俺の叔父さんの話。 叔父さんは古書集めが趣味で、暇さえあると古本屋巡りに出かけていた。 とある古本屋で叔父さんは、 アメリカ人がインディアンと戦ったときの記録を、当時のアメリカ人が日記風に記した古書を見つけた。 オリジナルではなく複製だったけど、その当時の年代に複製されたのは間違いないらしくて、 叔父さんは大枚はたいてそれを買った。 叔父さんは、その本を自分の部屋の書斎に大事にしまっておいた。
しかしなぜかその日以来、なんとも寝付けない日が続いたと言う。 仕事から帰ってきて自分の部屋に入ると、すでに空気が重く、悪夢もほぼ毎日見たと言う。
そんな日が数ヶ月続いて、別段体調は悪くないので、部屋に何かあるんじゃないかと叔父さんは思い、 知り合いの霊感が強い占い師に、家に来てもらった。
占い師(おばさん)は部屋に入るなり、 「アンタ、何てもん置いてるの!!」と凄い剣幕で怒鳴ったと言う。 その目線の先には書斎。 つかつかと震える足取りで、占い師は書斎のガラス戸を開け、 例のインディアンとの戦いを記した古書を手に取り、こう言った。
「これ人間の皮膚よ!!皮で作ってるのよ!!表紙!!」
その日のうちに、その本は近所のお寺に預け、供養してもらったと言う。 それ以来、部屋の異様な空気も消え、悪夢も止んだと言う。 叔父さんは、話の最後に最後に俺にこう言った。
「叔父さんが買ったの(1巻)だし、あの本の続き、まだ古本屋に4冊あるんだよなぁ・・・」
都内の古本屋、とだけ記しておく。
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