羽の生えた細長い紫色の鯉

僕は小さい頃から、時間や場所に関係なく、

僕の周りを泳ぐというか舞うように、羽の生えた細長い紫色の鯉が見えます。

その鯉は出て来ても、只々僕の周りを舞っているだけでした。


僕の住んでいた県には泳げる程に綺麗な川があり、毎年夏になると友達とその川で遊んでいました。

その川には、丁度飛び込めるくらいの岩場があり、そこから飛び込んだりして遊んでました。

ある時1人で家にいる時に、ふとその川に行かないといけないという気がして1人で行きました。

草が生え茂っている所の奥にいくと開けた所に出て、そこにダムからの水でできた川があります。


僕はいつものように川に着きました。

そして、服を脱ぎ岩場に登り、飛び込もうとした時に、後ろから誰かに押され、転げ落ちる様に川に落ちました。

僕が慌てながら水から出ようとすると、無数の手が僕の体を掴み、岩の下に引きずり込もうとしていました。

僕は恐怖で水を飲んでしまって、息がすぐに続かなくなり、もう無理なんだなあと思っていました。

すると、その鯉がふわぁって出て来ました。その瞬間に手が外れました。

僕はそこで気を失ったようです。

気が付くと川の岸に寝ていました。

寝ていたのかな?と思いましたが、髪の毛が濡れていたので夢ではないと思います。

ついでに、今でも鯉は出て来ます。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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