「かわりますか?」

このあいだ、バイトの帰り急に大雨が降り出してきて

傘もなかったから駅から家までダッシュすることにした。


道路沿いの道を走ってたんだけど、道の脇にある公道花壇の土の中に人の顔があった。

ん?顔?と思って戻ってもう一度見てみると、やっぱりあった。

花壇の土の中から顔が上向きに出てる(土に埋められて耳から前が出てる感じ)

でもその花壇に人が埋まるスペースなんてない

本当に顔が埋まるくらいのスペースしかない

全く意味がわからなくて、でもとりあえず「・・大丈夫ですか?」と声をかけた。

顔はずっと目を開いててずっと上を見つめながら一言、

「かわりますか?」

と聞いてきた。


なんて返事すればいいのか迷っていると、自分が走ってきた道の方から

何か大きいスコップ持った作業員みたいな人が走ってくる。

その人が近付いてくるにつれて何故か無性に恐ろしくなってきて、家まで走って逃げた。

外からはなんか雨音とは違う叩きつける音が何度も聞こえた気がした。


家に帰ってすぐにシャワーを浴びて、その日の夜は眠た。

よく晴れた次の日、その道を通り花壇を見てみると顔があった形跡など無く、

「よかった熱でも出て変な幻覚見てたんだ」と思った瞬間

近くの建物の上のほうから「あああああああああ!!!」っていう叫び声と共に人が落ちてきた。

地面に叩きつけられて仰向けに血を流してピクピクしてるその人の顔を見ると

原型を留めていないのに昨日見た花壇の顔が浮かんで頭から離れなくなった 。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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