ヒッチハイクの女

車で通勤中のこと。

人気の少ない道を通っていたら、道路のわきに、

薄汚れた赤いワンピースを着た、髪の毛が長くてぼさぼさな女性が、ヒッチハイクをしていた。

通勤中だった俺は、気にも留めずそのままスルー。

でも次の日も、その次の日も、その次の次の日も女はそこに居た。


気味が悪くなって、大型トラックの運ちゃんだった友人に話してみた。

そしたら友人が、「こんど(トラックに)乗せてやるから連れて行け」と言う。


数日後に、友人の大型トラックに乗ってその問題の場所に行くと、やはり女は居た。

友人はそれをみて、「あの野郎!まだそこに居やがったか!!」と叫びだし、

大型トラックで、しかもわざわざバックし助走&猛スピードで、


女を撥ねた。


俺はビックリした。

急いでトラックから降りて現場を見てみると、女は消えていた。


友人いわく、あいつは友人がドライブをしていると、ヒッチハイクをしてたらしく、

運ちゃんの友人は気軽に乗せてやった。

そして目的の場所に連れて行くと、何も言わずに消えた。

友人は結構破天荒で、礼も言わずに消えたのが気に食わなかったらしく、

幽霊だから引いても大丈夫という結論で、見つけたらとりあえず引いてるらしい。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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