性癖と死と変態と

性癖とは、「窃視、外見、部位、物、動物、死体、分泌物、シチュエーション、場所、傷、行動、暴力」など、通常の性交渉以外に性的興奮を得る事。

一番身近で言えばSMとか、腐女子とか。

それを実行すると大体「変態」と言われる。


変態はすごい。

自分の性癖のためにリスクを冒し、エクスタシーを感じているなんて、ファイトがあって良い。

人間として良い。とても面白い。良い。


昔、友人と「何か性癖はあるか?」という話をしました。

思いつかず、調べて何か当てはまるものはあるかと思いましたが、驚くほど何も当てはまりませんでした。

物は愛情あれど欲情はしない。分泌物は拭いてほしい。

シチュエーションはどこで何やってもそこまで興奮はしないかな。

閉所恐怖症なんで拘束もちょっと。

暴力は痛いし、窃視はドライアイだしなぁ。すぐに飽きそうだ。

部位も別に、好みはあっても性には結びつかない。

死体は普通に嫌だ。動物はかわいいので性と結び付けたくない。

やれと言われれば出来るけど、特に興奮するわけでもないし、めんどくさいなと思ってしまう。興味がないに近いなあ。


と、こんこんと話し合っているうちに「あぁなんて自分はつまらない人間なんだ」

と感じました。

実行すると逮捕される可能性があるのに、それを顧みずお金を払い、支度をし、

実行する人がいる。

いいなぁ…。楽しそう。


また猟奇的殺人には性に関連した場合が多く、大体は「両者合意の元で性癖を追求した結果死んでしまった」「自分の性癖のために殺した」の二つに分けられます。

阿部定事件は後者。

男性の方はいわゆるドMのようで、「絞首と性器に刃物」に興奮していたよう。

うーむ。理解が出来ない。


また「犯した後で食す」殺人犯も結構多いです。これは前者。

人肉や脳みそを食べるとクールー病になるんで食べてはいけません。


殺人や犯罪は絶対にやってはいけない事です。

その常識、人間として最低限してはいけない事を犯してしまうほどの欲求。

わからない。

せめて露出魔程度なら「そういう気分だったのかな?」ぐらいは理解できたのに。

理解が出来ないものは理解したくなるのですが、こればかりはちょっと難しい。

実行もしたくなし。ウーム。


ジョルジュ・バタイユの作品『目玉の話』には「性・目玉・汚物・死」が出てきます。

欲情すればいいのか、吐き気を催せばいいのか解らなくなる。

「宝石かと思ったら結石だった。」そんなような、繊細な言葉にばかり集中してると、作品のおぞましさに内臓を掻き出されるされるような。

「なんでこんなことするんだ!」

思わずそう声に出してしまうような性への追及。

で、この「なんでだ!」と思っていると同じようにこの変態行為に困惑している

「マルセル」という少女が出ます。

この子はもしかしたら読者の代表者かもしれません。


性を司祭のように否定するか、シモーヌのように肯定し探究するか。


夢野久作の作品の『支那米の袋』

とても好きな作品なんですが、SMの描写がすごい。

「全面真っ赤にした部屋の真ん中に大きな蝋燭一本を立て、油を塗った全裸の男女が乱舞する。そうして暴れ狂って苦しくなって…」

「トテモ気持ちい心臓と心臓のキッスよ…世界一の贅沢な…一生で一度っきりの」

自殺遊びとエクスタシーはよく関連させて書かれていますが、実際どうなんでしょうか。

試すのもすこし躊躇われるな。


もしかしたら自分には探究心が足りなかったのかも。

無関心な所が多いのは確かだなぁ。

でも死にたくないし、痛いのも嫌だし、無論痛い思いをさせるのも嫌だ。

せめて、亀甲結びされて性的快感を覚えられるぐらいにはなりたい。

だって楽しそうだもの。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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