さっき幼馴染と久しぶりに会って、思い出した話をひとつ。
僕の地元は田舎なんで、遊ぶっていうと外なわけです。
夏休みとかは、毎日のように川行って泳いでました。
まあ消防ですから、ただ泳ぐのもツマラン!ってことで色々やります。
その中で開発した遊びで、『金子(キンシ)くん』というのがありました。
どんな遊びかというと、流木にしがみついて上流から流される、という他愛ないもんです。
『金子くん』というのは、その流木の名前なんです。
何故『金子くん』かは最早憶えてませんが、みんなそう呼んでたし、字もコレと決まってました。
なんで流木に名前付けるんじゃ、と思うでしょう。理由があります。
・微妙にヒト型。
・頭部分に「∵」的なお顔付。
・戻ってくる。
ええ、戻ってくるんです。
一通り彼と遊んだ後、みんなで彼を下流に向けて流し、見届けててから帰るのがルールでしたが、翌日にはきちっと帰着。
彼と遊んだのは小3の夏、お盆前の一週間だけですが、その間は必ず戻ってきてました。
あるときは、遊んでる最中にうっかり流した『金子くん』が、1時間ぐらい後に上から流れてきたり。
一番不思議なのは、これを不思議と思わなかった当時の僕と友人ですね。
上から流れてきたときも、「金子くん流れてきたよ、ヒヒヒ」とか言って、普通にみんなでウケてました。
お盆が明けて(お盆は泳いじゃいけないそうです)見にいったら、もういませんでした。
僕も友人も結構鮮明に憶えてるのに、なんで今まで忘れてたのか…
「忘れてるだけで、割と不思議なことってあるのかも」ということで、友人は帰っていきました。
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