片腕の無い幽霊

自分が小学3年生だったころの担任にS先生って先生がいた

若い先生でちょっとだらしない所があったけど子供好きだったのか

昼休みにクラスの子供達と遊んだりする先生で主に男子生徒に人気がある先生だった

ある日の昼休みにS先生と自分と他の2人の4人で遊んだ後の遊具を片付けていると

校門の所に変な女の人が佇んでいるのを見かけた

ボロボロの黒いワンピースを着ていて、右腕が丸々無かった

その女性はS先生が話しかけようとしたらフッと消えてしまって

自分達は幽霊を見たって大騒ぎをした

その後は特に何事もなく自分達は4年生に進級して、

S先生は転勤で他の小学校に行ってしまった

例の幽霊についても怖い話を皆でするときに時々思い出すぐらいで

だんだん忘れていった


そして自分達が中学生になった頃、S先生の姉から封筒が届いた

封筒の中にはお守りと手紙が入っていて、手紙の内容は極々短いモノで

自分がS先生の姉であること

S先生は最後まで自分達の事を気にかけていた事

気休めにしかならないかもしれないけどとS先生にお守りを自分達に届けるよう頼まれていた事

自分達には頑張って生きてほしいということが簡潔に書かれていた

その後、あの時一緒に例の幽霊を見た2人にも自分のと

同じ封筒が届いているのを確認して3人で一緒に泣いた

あれから10年以上たって、特に問題なく生活してきたけど、

この間その内の一人から「あの女をまた見たかもしれない」

というメールが来た


勘違いだと思いたい

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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