ホラー作品はスポーツである

ホラー映画はお好きでしょうか?

私は大好きです。

よくホラーが好きと言うと「何処が好きなの?」と物好きを見るような目で言われるので、ここは一つ言葉をまとめてやろうと思いまして、書いた所存です。


ホラーには大きく3パターンあります。

1つ目は「お化けホラー」

2つ目は「スプラッタホラー」

3つ目は「実体ホラー」


2つ目3つ目は海外に多く観られる映画です。

多分宗教の違いがあるのかな。ゾンビとかはブードゥー教から来ているようです。

日本では死者が蘇ったとなるとゾンビよりかは、がしゃ髑髏などの骸骨になった状態での復活の絵が浮世絵で見られます。スケルトンマン?

もちろん海外の作品が入ってきてからはゾンビ系も増えています。

実体という曖昧な言い方に関しましては「ミスト」や「チャイルドプレイ」のような

異形または『死んだけど実体もった』系という意味です。

それとホラーとサスペンスの境目の映画の「殺人鬼超人映画」というものがあります。

「13日の金曜日」とかですね。私自身がスプラッタ系が大の苦手なんで詳しくは知りません。Jホラーの「感染」、この映画大好きなんですが毎回熱湯に手を入れるシーンと注射のシーンで『ウヮー!!』となるぐらいスプラッタは苦手です。


1は日本だと「呪怨」「リング」、外国だと「シックスセンス」「シャイニング」

これらは「実体がない」者が襲いかかってくる恐怖があります。

シャイニングは実体ホラーであり、お化けホラーでもありの欲張り作品です。案外静かで、尚且つ映像が綺麗で不気味です。

また「びっくりお化け」か「静かなお化け」か。

私は「静かなお化け」の映画が大好きです。

長くなりましたが、今回はそれらについて語りたいと思います。


「幽霊」「お化け」

この言葉を聞いてどんな造形を思い浮かべますか?

「女」「長髪」「白い服」または「血」「致命傷」「身体の一部損失」

とかではないでしょうか。

こちらの作品は、円山応挙の「足の無い幽霊画」です。

江戸時代とかはよく幽霊や骸骨、妖怪の絵がよく描かれていたハッピー極まりない時代なのですが、この時代から幽霊と白い服は強い繋がりがあり、「死んだ人間」が最後に着る服、「死装束」から幽霊の服の色が定着してきたのでしょう。

ちなみに諸説あるようですが何故、死装束が白かと言うと、日本では紅白の様に赤と白を組み合わせて考えており、「生まれたときは赤(赤ちゃん)なら、亡くなる時は白」といった考え、また純粋ピュアな意味を込めて白にしたとか。

外国では好きな服だったり民族衣装が多いです。

また江戸時代の幽霊画のほとんどが女性。

これは「お岩さん」や「皿屋敷」のように今でも語られる名作落語からそれを絵にして、それが広まっていったとかなんですかね。

逆に男の人は女性を守る役割として幽霊画、妖怪画によく登場しています。

江戸時代ですでに「幽霊は白い服の女」という刷り込みがされていたようです。


それを今の時代に繋げていったのは紛れも無くこの作品

「リング」ですね。今なおJホラーの金字塔と呼ばれています。

この映画、観たことある人なら分かると思うのですが、とっても静かでシンプルなんです。

死人は出ても血が出ない。ザックリいうと「静かなホラー冒険ストーリ」。

そして白い服、女、長髪。古典的で最高ですね。拍手喝采です。

さらに当時近代的であった「ビデオテープ」を使ってのアクション。

しかも今では逆に「廃れている」という、そういった意味でも不気味度が増したビデオテープ。もしビデオテープもう古いからと捨てようとして、その中に何も書いていないテープがあって、なんとなく観てみたらあの映像って怖くないですか?


そして今。

気軽に映画が見れ、ゲームや動画、漫画文学

「人が作った作品に気軽に触れられる」時代になりました。

そうなると当然コンテンツの中に『ホラー』が含まれてきます。

この情報はびこる時代、ド定番で勝負できるのでしょうか。

今クリエーターに求められているのは「新しい発想」だと私は思います。

「女」「白い服」「長髪」「血」「致命傷」「身体の一部損失」

色で言えば「白」「赤」「黒」

この凝り固まったお化けの概念からどう新しいお化けを生み出すのか。

どう怖がらせてくれるのか。

驚かせたいならいきなり大きな音を聞かせればいい。

怯えさせたいなら血みどろにすればいい。

しかしそれだけでは「それだけ」になってしまう。

「なんだよ煩いな!」「うわ気持ち悪い」だけになってしまうんです。

下手すれば「ギャグ映画」になってしまう事もあります。

↑「無料フリーゲーム 恐怖の森のよしえさん」

大きい顔が追ってくると聞くだけではギャグにも聞こえるが、怖い。

白、黒、赤というシンプルな色なのにこの怖さ。

黒目が異様に大きく、何処から見ても目が合うのも怖さの秘訣だと思われる。

リアルで合ったら絶対にやられるし、むしろ本望。


『怖い』という感情は私達が思っている以上に曖昧なものです。

少しでも違えば全く怖くないものになったりただ不快なだけになる。

ホラーを作るとは想像力のぶつかり合い、もはやスポーツなのではないでしょうか。

脳内アメフト状態です。恐怖と造形力がタックルし合ってるんですよ。

そんな血と汗と涙を流し、ホラー映画やゲームが出来たと思うと、尊さでいっぱいになります。それでしっかりと怖かったらもう喜びしかないです。

「怖いぞ!素晴らしい想像力だ!作ってくれてありがとう!」となるんです。


ホラーとは人間の想像力の結晶。

なので私はホラー映画、ホラー作品が大好きです。







WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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