[千葉]とある海辺のホテル

2005年の夏に当時の彼氏と千葉の海に程近い普通のホテルに宿泊しました。 

彼氏が友達に聞いたりネットで調べて予約してくれたホテルなんですが、夏休みシーズンということでどこも混んでいました。 やっと2人1部屋だけ空いてるホテルがあり決めたらしいのですが、合宿の大学生やら家族連れやらサーファーやらでロビーも廊下も人だらけでした。 

泊まったのはそのホテルの4階なのですが、その階は静かで廊下に誰もいないんですよ。昼間だし皆海に行ってるんだなーと思ってました。 

ホテルは横長で少しピラミッド型というか…1階が10部屋なら2階は9部屋って感じで上の階に行くほど部屋数が少なくなっていくんですが、4階だけ3階と部屋数が同じなんです。 しかも端の部屋だけ新しく作り足したような。変なの!って思ってたら自分たちがその部屋でした。

でもあんまり気にせず部屋に入ろうして、鍵を開けました。 

 ガチャン …カチャン 

 1回鍵開けたのに、中から閉められました。 あれっ?誰かいるのかな?って彼氏と言いつつもう1回鍵挿したかったけど刺さりませんでした。 

 鍵、合わなくなったんです。ものの数秒で。 

とりあえず彼氏がフロントに戻って事情説明したら偉い人が来て開けてくれた。  

私『鍵間違えてたんですか?』 偉い人『いえ…あのー…』 でなんか偉い人に業務連絡が入って去っていったんです。


そのことは気にせず海に行って夕方頃にまたホテルに帰って来ました。 

部屋に入ったら窓が開いてて、なぜか机が窓際に移動してました。 従業員がなんかしたんだろうと思ってまた気にせず… お風呂に入りにまた部屋を出ました。お風呂から出たら彼氏が待っててくれて一緒に部屋まで戻ったんです。 

普通に鍵開けて部屋に入ったら ざぁぁぁぁぁぁぁ… 私はポットのお湯が沸いた音だと思ってポットにを見てみると、コンセントが刺さってないんです。 あれ?って思ったら彼氏が 『トイレ…?』 

トイレを見たら水が流れてました。 タンク式で脇に流すレバーが付いてたんですが、今さっき下がったって感じに揺れてて… 『故障かな?』 と思ったら、私も彼氏も触っていないのに目の前でレバーがググッ…っと上がってまた水が流れました。  

これ故障じゃない…。おかしい。と思ったけど口に出しませんでした。元に戻した机はまた窓の近くにありました。 


 『もう寝よう』 いちゃいちゃする気もなくなり寝ました。 ウトウトしたかな…くらいのときに髪を引っ張られる感じがして起きました。時計を見ると朝方4時。 『朝方の方がおばけ出るよ』 と母に言われたのを思い出して怖くなりました。何より髪を引っ張られてるのが怖くて早く寝なきゃ寝なきゃってばかり考えてよけいに眠れなくなり、とりあえず髪どうにかしようと引っ張られてる原因を探しました。 

 私は右を下にして寝ていたので、目だけ振り向く形で見てみました。 彼氏の手でした。 

なんだバカヤロー!!!!!と思ったけどおかしいです。彼氏反対側向いて寝てるんです。 左を下にして。手を見たら左手だったから。彼氏は軟体人間じゃないし、何よりベッド別だからこんなに手伸びるわけない。 じゃあ、私の背中にくっついて寝てるのは誰? 


起きた時には病院でした。 私、窓際で首つったらしいんです。 全然覚えてないんですが…

無事に生きてて良かったと思ってます。 

ちなみに引っ張られてた髪は窓際に落ちてて、未だにそこハゲてます…

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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