1990年イタリアローマにて。
バルバラという美しい修道女がいた。
彼女は礼拝堂で誰かと会話した素振りを見せたかと思うと、床から体が浮き上がり、周りには得も言われぬ良い香りが漂った。
ある時は病気の修道女を癒やしたり、またある時には磔にあったキリストと会話し、その際両手に聖痕も現れたそうな。
いわば聖女だったという。
ある夜、修道女バルバラのベッドの前に見知らぬ男が立っているのを他の修道女に目撃される。
修道女は男子禁制の修道院に侵入している事を咎めると男は黙ってこれを詫び、出口に案内すると忽然と消えたという。
それが切欠だったのか、朝、修道女バルバラがいつもの様に神へ祈りをささげると、手の中から血が流れ出した。
手を見てみるとそこには見覚えのない傷が。
それからというものの彼女を怪奇現象が襲うようになった。
大きい蜘蛛が手を這う幻覚を見る。
仲間の顔が化物に見える。
パスタが蛆虫に変わっていた。
ある夜、彼女はベットの上で痙攣を起こし始めた。
心配し、駆け寄った他の修道女、神父ををあり得ない力で投げ飛ばし、危害を加え、
そのあと気絶した。その際首には爪の様な傷痕が付いていたという。
これは悪魔が憑いている。そう考えるのも無理はなかった。
カンディド神父をご存じだろうか。映画エクソシストの監修もした、「エクソシスト界最強」と名高い神父である。
ラテン語で悪魔祓いを行う方法をとっていて、詠唱の響きの美しさと共に効き目に評価が高いそう。
カンディド神父が詠唱する。
すると彼女の体が浮き、地に落ちた。
落ちた彼女は苦しみ何かを吐きだす。
そこにあった物は到底食べた覚えなどない釘やピンなどがあった。
一説では彼女の両親が強引に縁談をまとめようとしたため、それを避けるため修道院に入った。
それを激怒した両親が彼女に呪いをかけているという話や、縁談相手が逃げられた屈辱から自殺、また生霊になり彼女に憑いているとか。
カンディド神父の悪魔祓いで幾分落ち着いたそうだが、まだ完全には払えておらず、彼女は終身修道院に入り、まだ今でも悪魔と戦っているそう。
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