ドグラマグラ


私が昔からの名作、名前をよく聞くけど内容は知らない作品を見ようと思い立ったのはこの作品のおかげです。

登場人物

・主人公 記憶喪失。気が付いたら精神病院にいました。

・呉一郎 物語の重要人物。モヨ子の婚約者。母親を殺害した(された)容疑をかけられたり

     ある巻物のせいで気がふれてしまったり大変。

・モヨ子 呉一郎に殺されたのですが実は仮死状態で正木博士に内緒で精神病院に

     匿われてます。仮死状態になったおかげで精神が先祖と入れ替わったり大変。

・正木博士 神出鬼没でワンパクで繊細で強引な博士。主人公が目を覚ます一か月前に

      自殺したのですが神出鬼没だから元気いっぱい。

・若林博士 主人公が最初に病院で会った先生。顔立ち良し。でも体弱い。


自分の元ってなんなんでしょうか。

「あなた死んだおじいちゃんに性格似てるわね」とか言われた事はありませんか?

なぜか手際が良い。なぜか次の行動がわかる。なぜか色の置き場所がわかる。

なぜか絵の描き方がわかる。なぜか演奏ができる。

「そういえば身内でうまい人が居たなぁ。」

遺伝というのでしょうか。DNAに組み込まれそれが記憶となって先人の動きをベースに行動をさせてくれているのでしょう。これぞ進化。

もう一つ、失敗は成功の元とよく言いますね。

失敗した!次はこうしよう。成功した!

一度失敗すると心が折れてしまったり少なからずショックを受けるので強いメンタルが必要ですが、着実に成長できます。

大体この二つで人や生き物は進化やできる事が増えていきます。


胎児ってよくおなかの中で5億年の進化の過程を10ヶ月で行っていくと言いますよね。

魚類、エラ呼吸から肺呼吸、爬虫類、哺乳類・・・

「胎児の夢」

先ほど言った失敗は成功の元の話なのですが、もし胎児が夢の中で「魚類から陸に上がる進化を遂げなければならない理由」を見ていたとしたら。

死んだ!進化せねば。生き延びた!

もしかすると胎児の夢は進化という地獄を見ているのかもしれませんね。


このドグラマグラの中に脳髄探偵という小説内の小説があるのですが、簡単に言うと

「記憶」はどこにある?という話です。

いや脳髄でしょ。と思うのは当然なのですが、「体が覚えていた」「手が覚えていた」「無意識にできていた」とかたまにありますよね。

もし脳髄は指令を送るだけの器官だとして、「細胞一つ一つ」に記憶が保存されているとしたら?

だから体が覚えていた。だから無意識でもできた。

だから内臓提供を受けた人の性格が変わってしまった。

だから認知症のピアニストが鍵盤に手を置いたとたんに昔のよう演奏できた。

無くなった片足があたかもあるように感じるのは切口の細胞がなくなった細胞を名残惜しんでの事である!


というようなトンデモ説をあたかも本当かのように、またそうかもしれないと思ってしまうそんな本がドグラマグラです。

とりあえず私は世界五分前仮説と胎児の夢と細胞の記憶はそうかもしれないと思っています。

その方がこれからの人生ちょっと不気味に楽しそうなので。

あとチャカポコ節で折れた人はあれ上巻の4分の1はチャカポコ節なのですが、「―ヘイ。御退屈様―」という言葉で締められます。そこが「長かったし退屈だったでしょ。貴方にどれだけも話の本意が伝わったとは思えないけどね!」って感じで粋で皮肉で最高に痺れました。

ドグラマグラ。是非。

WUNDERKAMMER

名作は、名作と呼ばれる理由があるはず。 それを求めて映画や本を観ています。 あとは奇妙なもの、怖い話や自分が好きなものをここに集めています。

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